試験のやり方について (学生の声)

 

 

毎年、「借文」形式の試験には、学生諸君から疑問が寄せられます。

いつも1学期の試験の際には、(1) 授業で使用しているテキストについて、(2) 授業のやり方について、(3) 試験の形式についての3点にわたって学生諸君の感想を答案の裏などに書いてもらっています。毎回のように批判の対象となるのは試験の形式、特に「借文」についてです。2学期の最初の授業で、答案を返却すると同時に、学生諸君の感想を一覧表に印刷して配布し、そこで出された疑問や批判に答えるようにしていますが、毎回のように出される疑問、批判に「借文」形式の試験に対する批判があります。

このように学生諸君の感想を2学期最初の授業で取り上げるのは、小生の授業方針を再度この時点で説明し、徹底させるためですが(そしてまた、小生の側に問題があった場合には、改善の方向性を学生諸君に伝えるためですが)、時には、この説明だけでは不十分なことがあります。

たとえば、1999年度の年度末試験で、ある答案の裏面に次のような感想が書かれていました。

 

私は先生の授業形式は大変よいと思います。テスト形式についてもこれはこれでよいと思うのですが、Uのような問題のみ、つまりテストの範囲というものをもうけないで、"スペイン語"を出題するというのはどうでしょうか? せっかく、授業で力のついた読解力を、最後のテストでただの暗記力勝負のものにおわらせてしまっては、もったいないと思います。私は本当にそう思います。私の高校の英語の先生がそういう問題を出し、もちろん、皆点数はあまりいいとは言えなかったですが、テストの度に力はついていくのでとてもよかったと思いました。大学に入った時、勉強する内容(レベル?)はとても低いものだったので、私は少しショックを受けました。暗記すればいいのか? そんな授業では……。点をとらせる為のテストおよび授業ではなくて、もっともっと生徒に考えさせる授業、テストをやってほしいと思います

 

こうした意見についてどう思いますか。賛成意見、反対意見を問わず、どんな意見でもメールで送って下さい。このページに掲載します。なお、小生がなぜこうした試験をするのか、その説明についてはこちらをご覧下さい。

 

(1) 2000/2/26

私自身はあの試験の形式に満足しています。前期試験の勉強で分かったことなのですが、ああやって丸ごと覚えた文は結構忘れないもので、しかもその中で覚えた単語やフレーズは文で覚えているので応用する時も楽でした。借文じゃなくて作文にしてしまうと、どうしても語彙の量は増えないし、ただ読むだけでは例えばいくらスペイン語 はモノが主語になりやすいと説明されても経験的にわからないと思います。それから試験のことではないのですが、後期はカルデロンのテープが私はとても役に立ちました。文を暗記するときに読み、口に出し、書くことに加えて耳から聞くことでより楽に覚えられました。後期の試験中は書きながらカルデロンの声が浮かんできました(笑)

(2) 2000/4/21

私はあのテスト方法に賛成です。前期のテストの時に「Uのテストのウエイトを上げて欲しい」という意見を出しましたが今ではそう思っていません。 確かにUの方式はとても手応えがあって面白いです。問題に対して「かかってこい」 という気持ちになります。ですが、授業の成果を試験で試すということになると話は別だと思います。いかんせん我々(私だけ?)のスペイン語のレベルは手習いの域を出ておりません。このレベルの時にはそれまでの学習が自分たちの血肉になっているかしっかりと確認できるので、Tの方式のように自分たちが得たものを出すという試 験のやり方が良いと思います。もし実力が付いたことを感じ真剣勝負の腕試しをしたくなれば、「試験」という枠を 借りずとも自分で相手を捜して勝負を挑んでいくのだと思います。