演習(ゼミ)履修者の声
1999年度
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演習 | 小川理恵 我妻由紀子 福島聡子 源暢子 伊藤隆志 渋田善之 田村剛 大橋牧人 |
2000年度
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演習 | 青木芳充 樋口統子 髭晃子 池之谷美紀 今井進午 小金丸幸 小池快枝 根本京子 西岡志穂 野田俊平 小原正 大森達弘 鈴木愛 田代明子 吉田哲洋 山崎彩 |
江副公美 陣内民子 桑原あかり 緒方謙一 高橋有紀 志田恭子 永野敦久 中島礼子 芝田健 高橋澄人 土田成相 吉村公秀 谷中恒治 |
2000年度演習については『東外大ニュース』 No.6 (2001年3月27日発行)に紹介記事があります。
1.どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか。
ラテンアメリカの先住民問題。メキシコを旅行した時に見た先住民の姿が印象深かった。歴史的な存在として語られることが多い先住民が、現在をどのように生きているのか知りたいと思った。
2.どんな本を取り上げたのか(著者、タイトル、出版地、出版社、発行年)。
Donna Lee Van Cott 編, Indigenous peoples and democracy in Latin America, St. Martin's Press, NY 1994.
Inter American Dialogue が開催した、先住民問題を扱う会議の出席者が書いた論文をまとめた論文集。 編者を含む二人によって書かれた導入論文と ラテンアメリカ各国について報告された八つの論文から成る。論文と言うよりは報告書的な色彩が強い。
3.どんな困難にぶつかったのか。それをどう克服したのか。
英語の論文を読む、という基本中の基本がまず苦痛でした。「大意をつかむことが大切」というのは頭では分かっていても、 実際には分からない単語が多すぎていちいち辞書を引く羽目になり、文章全体の意味を把握できなくなる、という 「悪しきパターン」にはまってしまった時期がありました。最終的には、そんなことをしている余裕がないという時間的プレッシャーもあり、「とにかく辞書を引かずに読んで重要そうなところをピックアップする」 ことを自分に課して読んでいきました。ピックアップしたところを読み直して、 やはり重要だと思ったら改めて辞書を引きつつ読み返す、というやり方です。「もう時間が無い」と言う状況下で、非常な集中力があったからこそ出来たやり方だという気もしますが、先生がいつもおっしゃっている「とにかく通して読んで意味をつかむ」 という事が分かったような気がします。(気がするだけかもしれませんが・・・)
あとは、これも基本的な事なのですが、本に書いてある事を疑ってかかる、というのも大変な事でした。 私たちが受けてきた教育の下では、教えられたことは全て正しい、というのが原則で、それでは「学習」の領域を出て「研究」に入れないと分かっていつつも、読んでいるといつのまにか「そうなのか」と素直に納得している自分に気づくことがしばしばでした。常に批判的な目を持って読み進めていく事が 一番大変な事だったと思います。
4.書評論文を書いて、あるいはゼミに参加して何を得たのか。何を学んだのか。
上に書いた事とダブってしまいますが。論文を読む事、研究する(というほど偉そうなものではないですが)という事の基本的な姿勢を学んだと思います。文章全体の意味をつかむ事。批判的な目を持ち続ける事。
自分が論文を書く事だけでなく、ゼミの他の人の発表を聞く事で、ラ米に関する広い知識(浅くですが)を手に入れることが出来ました。特に経済問題や環境問題に関しては門外漢なので、こういう機会がないと接する事もないと思うので、大変有効でした。
5.後輩へのアドバイス。
きっと誰もが毎年言う事なんでしょうし 私だって年度当初はそうしようと思っていたのにできなかった事ですが、「コンスタントに読み続けましょう」 これに尽きると思います。
1.どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか。
メキシコ(または中南米)における企業経営。
2.どんな本を取り上げたのか(著者、タイトル、出版地、出版社、発行年)。
3.どんな困難にぶつかったのか。それをどう克服したのか。
中盤が余り面白くなく,読み進むのが苦痛だったこと。→読むことに集中した。特に 一段落語とにきちんとまとめるという作業に徹して誰内容に注意しながら読み勧めたのが良かったと思います。
4.書評論文を書いて、あるいはゼミに参加して何を得たのか。何を学んだのか。
小説とは違う英文の読み方。システマティクに読破していく技術。日本語の1行1行に気を配って論述していく方法。これまではだらだらと書いていた場合もあったけれ ど,このゼミでは1行1行に気が抜けない。引き締まった文章を書けるようになったと思います。
5.後輩へのアドバイス。
このゼミでは自分がやる気を出せば出すだけ,先生がサポートしてくれるという場所です。積極的な人にはいい環境になるし,怠けようと思ったら怠けられてしまうん じゃないかと思ったりも・・・・・・・。とりあえず私は先生の反応の良さに感動すらしました。
1.どんなテーマに関心を持ったか、それはなぜか
私が選んだのは、ラテン・アメリカの警察機構に関するテーマです。その理由は私 が警察官になりたいからであり、日本の警察機構だけでなく、海外、特に自分の専攻 語であるスペイン語の話されている地域の警察についても知りたいと思ったからです 。
2.どんな本を選んだか
私の選んだ本は、Martha K. Huggins, Political Policing The United States and Latin America, Duke University Press 1998です。この本では、アメリカがラテン・アメリカ諸国に対して行った海外警察援助が、援助を受けた国の警察機構に及ぼした影響を国際化、中央集権化、権威主義化、分権化、専門化といった命題を使って説明しています。その結論は、アメリカの海外警察援 助には、援助を受けた国の警察をより民主的で正しい警察にするという公式に発表された目標の裏に、アメリカ自国の安全保障を促進するという本当の目標があり、そう した援助を受けた警察は民主的で正しいものになるどころかより悪いものになってしまったというものです。
3.どんな困難にぶつかり、どう克服したか
外国語の文献を読むということで、私が選んだ本は英語でしたが、英語の本を読むのは私には初めてのことでした。単語の意味だけでも今まで使っていた辞書では間に 合わず、もっと厚いものに買い替えました。一番の困難といえば、段落ごとの要点を つかみ要約していく作業でした。どうしても全訳に近い形になってしまい、結局読み 進むことに多量の時間を費やすことになってしまいました。少しは進歩しただろうと 思ってはいますが、これは未だに克服できないでいます。また、本を読みすすめることは本人次第であり、ペースを作るのがむずかしかった です。一度にたくさん進めていくというより、毎日少しずつでも読み進んでいくことが大切だと気付きました。
4.書評論文を書き、またゼミに参加して何を得て、何を学んだか
書評論文を書くことによって、今まで知らなかった論文の書き方が分かりました。 このことは他のレポートを書く際にも役に立ちました。また外国語の本(私の場合は英語)を読むということで、英語に費やす時間が増え ました。大学に入ってからあまり英語を勉強する機会がなかったのですが、本を読むということでひさしぶりに英語と長くつきあった気がします。ゼミに参加することで、他の人の研究や発表を聞くことができ、自分にも共通する 失敗や参考になる点がいろいろと見つかりました。
5.後輩へのアドバイス
この授業の良いところは、ラテン・アメリカについてであればテーマを自由に選ぶことができるところで、自分で研究したいテーマが決まっていれば、大変お勧めです 。それに自分の関心のあるテーマの方がやる気もでるのではないでしょうか。それから、三年生になると、スペイン語の授業がほとんどなくなってしまいます。 高橋先生の講議をとるとスペイン語の資料をたくさん読むので、スペイン語をしっかりやりたい人は両方とると良いと思います。
池之谷美紀
1. どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか。
ラテンアメリカにおけるコーヒー経済。コーヒーが好きなので。
2.どんな本を選んだのか
3. どんな困難にぶつかったのか。それをどう克服したのか。
この本は論文集なので1人の筆者によって書かれた本よりもまとめるのが難しかったように思う。1章のイントロダクションで本書全体をよくまとめてあったので1章を中心に書いた。1章にそって書いたためかなり思いきって削った部分があり、書評全体に統一感は出たが、本書を十分に説明できたとは言えない。
4. 書評論文を書いて、あるいはゼミに参加して何を得たのか。何を学んだのか。
「論理的な文章を書くための技術」「自分の頭で考え抜いて、コピーではなく自分なりの文章を書くことの苦労と書いた後の達成感」を1年という貴重な時間のなかで(私の場合、諸事情から2年かかったが)学ぶことができた。
5. 後輩へのアドバイス。
もしもこれまでの大学生活のなかで「学問」をした気がしないという人は、ぜひこのゼミに入ってほしい。ほかのゼミよりもきついかもしれないが、「学ぶ」ことの醍醐味を肌で感じることのできる、数少ないゼミだと思う。このゼミに入って自分の読解力や文章構成能力のなさに気づき脱落したくなるかもしれない。他人のレベルの高さが気になって劣等感に陥るかもしれない。(私は実際そうだった)けれどもあきらめずに最後までゼミを続けてほしい。大事なのはいかにうまい文章を書くかではなく、1年後に今までよりも格段に成長した自分を見出すことである。
1.どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか
「バイリンガル教育」
(理由)メキシコで生れ育った日系2世の女の子を見て、彼女は日常レベルではスペイン語も日本語もなく不自由なく話すバイリンガルだったが、アカデミックな面では2つとも中途半端な気がして、2言語の教育の必要性に疑問を抱いた。また、言語能力維持の難しさを感じたから。
2.どんな本を取り上げたのか
4、あるいはゼミに参加して何を得たのか
他のメンバーの考え方.
5.後輩へのアドバイス
早めに本を決めて、時間のある早い時期からコツコツ読み進め、分らないところは先 生に聞くことがよいと思う。
1.どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか。
私は「ラテンアメリカのスポーツと社会」をテーマとして選びました。このテーマを選んだのはサッカーが好きだからです。サッカーの人気が定着しているとは言い難い日本と、いわゆるサッカーが盛んな地域であるラテンアメリカ。この両地域におけるサッカーを取り巻く状況の違いは如何なるものなのか。ラテンアメリカにおけるスポーツと社会との関係について知りたいと思いました。
2.どんな本を取り上げたのか。 それはどんな本か。
私が取り上げたのは、Sport and Society in Latin America : Diffusion, Dependency, and the Rise of Mass Culture です。1998年にNew Yorkで Greenwood Press から出版されました。編者は Joseph L.Arbena です。1984年に Clemson University で開かれた学会で発表された論文が集められている論文集です。全部で8つの論文が収められています。
3.どんな困難にぶつかったのか。それをどう克服したのか。
私が選んだのは英語で書かれた本でしたが、英語の文章を読み進めていくという作業は、自分にとってとても大変なことでした。英語で書かれた本1冊を読み終えるには、こつこつ読み進めることが必要でしたが、自分にはそれができませんでした。
4.書評論文を書いて、あるいはゼミに参加して何を得たのか。何を学んだのか。
まずは、文献の探し方、選び方がわかりました。書評論文やインターネットを使って文献を探すのは初めての経験で、とても勉強になったと思います。文章の書き方を勉強できました。1段落1トピックということや、文章を書くときの基本的な決まり(本の題名の書き方)などに注意して文章を書くようになりました。また、ゼミに参加する中で、論文の読み方も学ぶことができたと思います。文章における問いは何なのか。その問いに対する答えは何なのか。またその答えはどのようにして導き出されているのか。段落と段落の前後関係はどのようになっているのか。以上のようなことに注意して文章を読んでい かなければならないのだということがわかりました。
5.後輩へのアドバイス。
自分に対する課題でもあるのですが、やはり、選んだ本は少しずつこつこ つと読み進めていかないといけないと思います。
1.どんなテーマに関心を持ったか、それはなぜか
私は中南米の開発と援助をテーマに選びました。開発と援助については以前から感心を持っていたのですが、そのうちに2つの疑問が浮かんできたのです。1つはなぜ多くの国が援助しているにもかかわらず途上国の情況は改善しないのかということです。これは援助される側にも問題があるのではないか、と言いかえることもできます。もう1つは開発・援助には経済以外の要因が深く関連しているのではないかということです。
2.どんな本を選んだか
上記の疑問を解決するべく、書評論文を調べて選んだのが Arturo Escobar Encountering development: the making and unmaking of the Third World (Princeton University Press, 1995) です。現代までの開発戦略は大部分が失敗したと考えられています。にもかかわらず開発戦略そのものはあまり見直されることはありませんでした。著者が「なぜ開発は失敗したのか」を明らかにし、今まで何の疑問も持たずに行われてきた開発について議論しようというのがこの本です。
3.どんな困難にぶつかり、どう克服したか
先生は初めから「あっという間に時間が過ぎるから」とおっしゃっていました。ところが私は学校の他の勉強などに追われてなかなか自分の本を読み進めることが出来ないでいました。その為合宿前の夏休みと、本稿の提出前には大変苦労しました。この困難をどう乗り越えたかといえば締め切り前の頑張りとしか言いようがありませんが。
4.書評論文を書き、またゼミに参加して何を得て、何を学んだか
私は今年先生の助言に従ってゼミを中心に時間割を組みました。おかげでこの1年は結構大変でしたが、3年生になって初めて大学で勉強していると実感しました。もちろんゼミ自体も沢山の資料を読み進めていく中で、重要な点を見つけ出す訓練等を通して読解力が身についたと思います。また論文を書く中で、論文とはどう書いたら良いのかを学びました。
5.後輩へのアドバイス
これからゼミを受講しようとする皆さんには、とにかく自分の本に早くから取りかかること、そしてせっかくのこの機会を活かして積極的に学習することをお勧めします。
1.どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか
「ラテンアメリカの文学者は政治にどのように関わってきたのか」というテーマで す。僕は小説を読むことがとても好きだったのですが、政治にも興味があり、フラン スの作家サルトルがかつて立てた問い「飢えた子供の前で文学は無力か」を真剣に考 えてみようと思っていたからです。
2.どんな本を取り上げたのか。 それはどんな本か
書評論文に書いておきます。
3.どんな困難にぶつかったのか。それをどう克服したのか
平日、本を読む時間がつくれないのでなかなかコンスタントに毎日読むことができなかったのですが、朝早くおきて読むようにしました。
4.書評論文を書いて、あるいはゼミに参加して何を得たのか。何を学んだのか
一冊の本を読むということがどれほど大変かということがわかりました。本を〈読 む〉ということを学びました。
5.後輩へのアドバイス
3年生になってゼミを受けられるようになるのですが、学問とは何だろうか、という ことを考えるよい機会だろうと思います。その際、高橋先生のゼミから学ぶことはと ても大きいと思います。時間に余裕のある人は、他のゼミにもでるともっといいと思 いま す。
1.どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか
建築には昔から興味があったがよく知りたいと思うに至ったのは月並みではあるけ れど バルセロナのサグラダ・ファミリアを実際現地で見てからです。 でもスペイン建築はあまりに図書がいっぱい出ていて面白みがないので 日本で専門書の少ないラテンアメリカ建築を選んで手応えある勉強をしたいと思いま した。
2.どんな本を取り上げたのか
著者 アントニオ・トカ
タイトル Nueva Arquitectura de America Latina: Presente y Futuro
出版地 メキシコ 出版者 GG出版 発行年 1990年
どんな本か ラテンアメリカ建築の理想像について論じられた17の論文集
3.どんな困難にぶつかったのか。それをどう克服したのか
専門用語が頻出していること。私の場合NHK教育「人間講座」という番組の建築家 安藤忠雄氏のシリーズを見て 建築についての大要をつかむことで理解がしやすくなりました。しかし文献を読み進 める際は日本語の建築書が必須でした。
4.書評論文を書いて、あるいはゼミに参加して何を得たのか。何を学んだのか
「学ぶ」ことの本来の意味を実感しました。自分が興味のある分野だから理解できたときの嬉しさが倍増します。外国語の本を一冊読むのは手応えがあって勉強していて楽しいし何より今後の自信に つながりました。またゼミ内に自由に発表する雰囲気があること(最初は皆奥まっていたけど・・・) で「正しいこといわなくちゃ。」なんて心配することもなく言いたいことが言えました。間違えても全然恥ずかしくなかったです。このゼミで自分の大学生活の勉強を自負できそうです(あと1年あることも忘れてませんよ!)。 あと書くときも話すときも日本語を慎重に選ぶようになりました。
5.後輩へのアドバイス
外国語の文献を全部理解しようとして細かく読んでいったのではとてもじゃないけ ど読み終わらないと思います。 序章をしっかり読んで本の趣旨をつかんだら1度最後までざっと読むことをお薦めし ます。 全体像をつかむことで時間配分が有効にできる分先行きのわからない焦りはなくなり 気持ちに余裕がうまれ、いい意味で追いやられるはずです。どうして私はこうしな かったんだろう・・・。
1. どんなテーマに関心を持ったのか。それはなぜか。
私が興味を持ったテーマは「イメージ」である。一昨年前の夏スペインに行った時に、大都市にラテンアメリカ人が想像以上に多かったことに非常に驚いた。このことが私にとって強く印象に残り、疑問だった。ラテンアメリカ人にとって、スペイン語が通じるスペインへ移住することは比較的容易なのかもしれないと思い、現代においてスペインとラテンアメリカの両者にはどのような関係があるのかということにとても興味を引かれた。そして、スペイン人やラテンアメリカ人と知り合う機会に恵まれ彼らと話をするうちに、彼らはお互いをどのようなイメージを持って見ているか、ということに次第に興味が移っていった。というのは、私は去年たくさんの韓国人と知り合ったが、彼らが日本人に対して持っている感情とはどのようなものなのか、ということに非常に気がかりであったからである。会話の中で無意識のうちに彼らの気分を害するものがあるということはあり得るのかと、私だけでなく、私の周りの日本人も同じ様な不安を少なからず持っていた。従って、歴史的背景を原因として日本人が韓国人、中国人に対して持つ感情は、スペイン人とラテンアメリカ人との間にも共通して存在するものなのであろうか、と考えるようになった。このような経緯から、「イメージ」をテーマに考えていくことにした。 私の選んだ文献は、
2.どんな本を選んだのか
3. どんな困難にぶつかったのか。それをどう克服したのか。
この文献を読むにあたって苦労したことは、著者が3人であるため、各章によって文章の書き方が異なり、非常に読みにくかった点である。また3人とも挿入文を非常に多く使っていたことも、複雑さを増す原因の一つに感じられた。しかしこれらの問題は文献を読み進めていくうちに慣れていくもので、またそれぞれの著者の頻繁に使う単語も分かってくるので、この苦労は初期だけのものであったと思う。私の最大の苦労は、スペイン史・ラテンアメリカ史に関する知識不足から、文献の内容がわからなかった部分が多かったことである。従って、知識不足を身にしみて感じつつ、文献と歴史書を並行して読むこととなった。歴史書を読みながら文献を読み進めていくことは、疑問点が次々と解決されてパズルのような面白さもあったが、先に歴史についての知識があった方が、文献を読む上でより一層深く理解できたことは明らかである。
4. 書評論文を書いて、あるいはゼミに参加して何を得たのか。何を学んだのか。
このゼミに参加して、英語あるいはスペイン語の長文を読み、文章の骨組みを理解するということに対する苦手意識が以前よりもなくなったように思う。長文を読むことが非常に苦手で、さらに外国語文献の書評論文を書くということは私には大変なことと思ったが、苦手だけれどもなんとか苦手意識を取り除きたいという思いで、あえてこのゼミを選んだ。 結果は、前述の通りであるし、またスペイン語の文献を一冊読み終えることができたことは、非常に大変ではあったが発見も多く、とても勉強になったと思う。
5. 後輩へのアドバイス。
このゼミは本当に自分次第で全てが決まってしまうゼミだと思う。私は予習を完璧に終えて授業に出るというゼミ生ではなかったことに反省している。というのも、授業で文献を読み、先生の解説を聞くと言うことは、そのまま自分の文献を読んで書評論文を書く時に役立つからである。毎週の予習が他の授業に比べて大変ではあるけれども、だからこそ自分で選んだゼミだから、と新3年ゼミ生には最後までやり遂げてほしいと思う。