リーズ大学:Y.F.(欧米第一課程英語専攻)

■リーズ大学:Y.F.(欧米第一課程英語専攻)

リーズ大学での一年間は、私にとって自分自身を見つめなおす貴重な機会になりました。苦しいことも楽しいことも含めて全ての経験が自分を成長させることになったと思います。ここでは、リーズ大学での留学を通して私が感じたことや経験したこと、気をつけていたことなどを書いていきたいと思います。
 
まず、私がリーズへの留学を通じて学んだことは、人との出会いの大切さでした。リーズは非常に国際色豊かな大学で様々な国籍、様々なバックグラウンドを持つ人々が勉強しています。私自身は寮でザンビア人、ベトナム人、イギリス人、ウガンダ人、ケニア人、トルコ人、中国人、韓国人と共に生活し、授業でもイギリス人、ドイツ人、カナダ人、スウェーデン人、パレスチナ人、スロヴェニア人などと知り合い、年齢も性別も異なる様々な国の人々と交流することができました。もちろんこのように様々な経歴や価値観、宗教観を持つ人々と共に過ごし、カルチャーショックを受けることもありました。しかし同時に、自分はいかに視野が狭いのか、日本人の物差しで全ての物事を判断しようとしてきたのかということに気づかされ、自分とは違う視点で物事を捉える彼らの考えを新鮮に感じ尊重できるようになりました。このようにたくさんの人々と交流し友人ができたことは、この留学で得た一番の大きなものであり最も嬉しいことでもあります。特に私は正規の授業が始まる前に参加した英語クラスでかけがえのない友人を作ることができ、誕生日会を開いたりホームパーティーをしたりして一年間楽しい時間を共有することができました。

 もちろん困ったこと、苦しかったこともたくさんあります。私が初めて大学の授業に参加したときはイギリス人の冷たさに驚きました。英語がうまくないと露骨に嫌そうな顔をしますし、授業中のディスカッションのときには半分無視されグループの話し合いに参加させてくれなかったこともありました。ただし苦しいのは最初だけで、粘り強く話しかけていると2~3ヶ月後には大半のイギリス人学生が心を開いてくれるので大丈夫です。このイギリス人の冷たさは日本人などのアジアに対する差別ではなく、白人も含む多くの留学生が感じることらしいのであまり気にしないほうが良いと思います。また大学の事務所の対応や店のサービスも悪いので期待しないでおくのが一番です。私は1週間寮に入れず泊まる場所がなくなりそうになったり寮費を余分に請求されたりと大学の事務所と交渉しなければならないトラブルがいくつかありました。大体のトラブルは自分に全く落ち度のないことなのですが、感情的になり交渉相手を責めるとだいたい失敗します。どんなに自分に落ち度はなくても、謙虚な姿勢で冷静に事情を説明し、助けてくれないかお願いするとうまくいきました。

 授業に関しては、私たち日本人交換留学生は東アジア学部所属となりますが、東アジア学部に限らず全ての学部の授業を取ることができます。留学生には履修制限があり、私の場合は政治学部と法学部の授業を中心に大体1学期につき2つか3つ科目をとり週4コマから6コマくらいで授業を受けていました。最初は大変ですが2~3ヶ月もすれば慣れてきてだんだん面白く感じると思います。きちんと取り組めば単位を落とすこともありませんので心配する必要はありません。

 次に生活に関してですが、リーズの治安はあまり良くないので夜一人で出歩かないことは基本です。幸いなことに私自身は犯罪に巻き込まれませんでしたが、日本人の友人が昼夜問わずひったくりにあいましたし、強盗や誘拐、殺人があったという話も耳にしました。ただ治安が悪いということを理解し気をつけていれば、過度に怖がる必要もないと思います。私はよく大学のナイトバスを使っていました。これはリーズ大学の学生なら誰でも50pで自宅玄関まで送ってくれるというもので1時間に1本、夜7時くらいから夜中の2時や3時まで利用できます。タクシーよりも安く安全なのでお勧めです。

 生活費はあまり安くないと思います。私の場合、贅沢をしないように心がけても寮費込みで一ヶ月15万前後でした。自炊のため食費で節約することは出来ますが、トイレットペーパーなどの日用品や文房具などは日本よりも値段が高いです。それでもロンドンなどの大都市に比べればリーズでの生活は交通費があまりかからないためイギリスの中では安く済むほうなのかもしれません。

 また寮に関しては、大学の寮と民間の不動産会社が管理するプライベートの寮があります。大学の寮の場合、寮費は高いですが基本的にオフィスが郵便から部屋のトラブルまで何でも対応してくれるので安心です。プライベートの寮は安いのですが悪質な業者にだまされトラブルのときも対処してもらえないなど問題が多くお勧めできません。日本人はほとんどが大学の寮に住むのですが他の国の留学生はプライベートの寮を選択することもあり、もしかしたら友人から一緒にプライベートの寮に住もうと誘われることもあると思いますが(実際に私も誘われましたが)、きちんとお断りしたほうが良いと思います。ただし大学の寮でも非常に治安の悪い場所にある寮もありますので注意してください。私はSentinel Towersという大学まで徒歩15分ほどの寮に住んでいました。他の寮から少し離れたところにあり日本人は少なかったのですが大学院生や留学生が多く静かな寮でした。街に出るのも楽で、比較的大きな通りに面していました。またバス停も寮の目の前にありましたし、少し歩けばフリーバスを利用することもできたので便利だと思います。また正規の授業が始まる前の英語コースの時はLuptonという寮にも住んでいました。この寮は大学まで徒歩30分から40分、バスで10分から15分くらいかかり非常に遠いのですが、リーズの中では比較的治安の良い場所にあり、寮のすぐ裏にはスーパーマーケットや郵便局、日用雑貨の店、銀行、パン屋、カフェ、パブなどがありとても便利でした。バス代を負担しなければならないことと、大学からLuptonへ行くまでにハイドパークというかなり危険なエリアを通らなければならないことが多少不便ですが、とてものどかで良い寮です。Leodisなど大学の近くにある寮は通学に便利ですが治安が悪いので気をつけたほうがいいと思います。大学構内にある寮も便利ですが、全て食事つきの寮で、しかも驚くほどおいしくないそうです。私がリーズにいた時はほとんどの日本人が自炊の寮を選択していました。

 長くなりましたが、リーズでの生活は非常に充実したもので私にとって大変貴重な経験となりました。このような機会を与えてくださった大学側、そして留学を支えてくれた家族や友人に感謝したいと思います。これから留学を控えている方々や留学をしようと考えている方々は不安なことや分からないことも多いと思いますが、出発前の不安がうそだったように留学生活は充実したものになるので頑張ってください。