大学院受験生の皆さんへ(先輩より)

以下のアドバイスは、現在望月圭子研究室で研究活動を行っている博士前期課程在籍生が執筆した東京外国語大学総合国際学研究科言語文化日本専攻の受験体験記です。

おすすめ書籍

  1. 日本語教育教科書 日本語能力検定試験 完全攻略ガイド http://goo.gl/os9E1k      日語学・日本語教育学についてなら何でも網羅している。この本が一番役に立った。   「日本語能力検定試験」の教科書でもあるので、合格したら資格試験にも使える。
  2. 影山太郎(2001) 「日英対照 動詞の意味と構文」http://goo.gl/P2dGZU
  3. 影山太郎(2011) 「日英対照 名詞の意味と構文」http://goo.gl/HocntM
  4. 迫田久美子(2002) 「日本語教育に生かす第二言語習得研究」http://goo.gl/1Eo9lG
  5. 近藤安月子(2008)「日本語教師を目指す人のための日本語学門」http://goo.gl/BLpzPF
  6. 庵功雄 他(2000)「初級を教える人のための日本語文法ハンドブク」http://goo.gl/tTtD63
  7. 庵功雄(2012)「新しい日本語学入門 ことばのしくみを考える」http://goo.gl/gTEM6u

大学院入試対策

自己紹介
日本人。関西(神戸)出身。地元の大学を卒業した外部生。
学部では英語学・英語教育学を中心に日本語との対照言語学、翻訳論、比較表現論を専攻。日本語と日本語教育に興味を持ち、英語学ではなく日本語学での大学院入試を決意。

筆記試験(秋入試のみ)

まずは過去問
毎年どのような問題が出ているのかを知らないことには勉強のしようがない。
地方や国外から受験する場合は、大学院説明会の時に一緒に入手するのが吉。
特に学部などで他分野を専攻していた人は、できるだけ早く過去問を入手したい。

とにかくノートにまとめる
記述形式の問題が多いので、知らない用語とその周辺知識を文献などを巡ってまとめる。
知っている語句も、正確に記述できるように改めてまとめ直す。
自分は過去問ごとにまとめた他に、「テンス」「方言学」「音声学」「モダリティ」「日本語教育」といった分野毎に書籍やネットにまとめられている内容を自分の言葉でまとめていき、知識を付けるのと同時に記述形式の問題対策にもした。
紙のノートでもいいけど、携帯性や検索性を考えるとPC+タブレットで閲覧できる形式でまとめておくと、後々の大学院生活でも何かと役に立つ。
特におすすめはEvernote。書籍に載っている図も写真に撮って加工してそのまま貼り付けることも可能。
PCがあればどこでも作業できるし、タブレットがあればどこでも復習ができる。
自分みたいな地方出身だと入試の日は遠征になるので、荷物も減らせる。
ノート検索やタブ付なども便利。
PCとタブレットに慣れている人なら、実践してみる価値があると思う。

英語(外国語)に時間を取られたくない
日本語以外の外国語が必要な人だと、専門分野の知識の他に外国語(自分の場合は英語)が必要になる。
英訳や和訳が中心となるので、苦手な人はその訓練もしておきたいが、
できるだけ専門分野の勉強時間を取りたいので、英語は普段から勉強しておいたほうがいい。日本人受験生は英語での受験が一般的、留学生は日本語の受験となる。
これも過去問がもらえるから、どのような問題が出るのかはきちんと把握しておくべき。

問題の解き方
問題の種類は次の3種類

専攻専門科目(専攻言語)
専攻科目(論述)
外国語

専攻専門科目は大学院で主専攻とする言語に関する問題。必修問題と選択問題があり、ほぼ全て記述形式。
必修問題も用語の中から指定の数を選んで内容説明。選択問題は一般言語学から日本語教育学、日本語古文読解など範囲は広い。

専攻科目(論述)は一般言語学に関する問題。専攻専門科目より広く専門的な言語学の知識を問われる。
どの問題も時間が足りないという印象はないが、専攻科目は1時間で4問なので若干厳しい。
個人的には大学院入試でここの対策と勉強が一番つらかった。

対策
専攻専門科目
必修問題は「簡潔に説明しなさい」なので、時間をかけて細かく説明する必要はない。
ちゃんと勉強していればそこまで難しいと感じないし、少し分からない語句があっても選択式なので避ける事ができる。
「避ける」という選択肢を作るためにも、他の語句は説明できるようにしておく。

選択問題は自分が専攻する分野や、知識に自信があるものを選べる。
自分は古文読解ができるのでそれから着手した。

専攻科目
意外と時間がないので、記述形式の問題は時間注意。
一般言語学だが、専門性はこちらのほうが高い。
自分は音声学が苦手だったので、本当に苦労した。