ビデオ上映会のお知らせ昨年12月の「女性国際戦犯法廷」をご存知でしょうか.日本軍「慰安婦」制度の真相を究明し,被害女性たちに正義と尊厳を回復することを目的に開かれた,画期的な民間法廷です.ところが,この「法廷」を取材したNHK「ETV2001」の「戦争をどう裁くか」(4回シリーズ,2001年1月)の内容が,直前になって,しかも出演者の了解(期待)を裏切るかたちで「改竄」されるという問題が起きました.これに対してはVAWWネット(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク)を中心に抗議署名運動が起こっていますが,かなり切迫した雰囲気になっているようです.詳細は省きますが,ともかく,ここでもう一度昨年の「法廷」からの流れを振りかえって,その意義について考える集まりを持とう,ということで,東京工科大の吉田俊実さんが以下のビデオ上映会を企画してくれました.「法廷」スタッフとして参加し,自らもドキュメンタリーをつくっている宮原りえさんも,ビデオ作品をもって参加されます.
工科大はちょっと遠いですが,またとない機会なのでぜひご参加ください.(行き方に自信のない人は,一緒に行きましょう.メールください)
日時 7月18日(水)10:30〜
内容 HNK ETV2001「戦争をどう裁くか」一夜から四夜(45分×4本)
「沈黙の歴史をやぶってー女性国際戦犯法廷の記録」64分
英語版「沈黙の歴史をやぶってー女性国際戦犯法廷の記録」
宮原りえさん制作のビデオ(40分)*宮原さんによる紹介は下にあります.
場所 東京工科大学 研究棟A 303教室
(横浜線、八王子みなみ野駅下車、バスターミナルよりスクールバスで5分)
大学ホームページ http://www.teu.ac.jp/
*学生食堂、マクドナルドが営業しています。お問い合わせは吉田さん(tyohsida@cc.teu.ac.jp)まで.
宮原さんのコメント2000年12月8日〜12日、東京都内で「女性国際戦犯法廷」という歴史的な裁判が行われた。日本でも1991年の訴訟で広く知られるようになった「従軍慰安婦」問題であるが、95年ごろから活発になる「自由主義史観派」の動きに伴い、日本国内ではそれを問題にすること自体がタブー視されるようになっている。周囲からの反発にあい、また、責任の取り方について繰り広げられている難しい議論を前に、私はこの問題と向き合うことができなくなっていた。このビデオは、これまで関わることを避けてきた法廷にボランティアスタッフとして飛び込んだ“私”の目から見た「法廷」の記録である。法廷には日本人を中心に多くの若者を含むボランティアスタッフがのべ300人以上参加した。「タブー視」されている問題に敢えて積極的に関わろうとする“日本人”が予想以上に大勢いたことがこの法廷で明らかにされたのである。
“直接的な当事者”ではない日本の若者がなぜ敢えてこの問題に積極的に関わることができるのか、また、無関心な“日本人”との差はどこから生まれてくるのだろうか。大多数の“関わらない”若者との比較を通し、その心理に迫ってみた。ボランティアスタッフおよび協力者5人・VAWW−NET事務局員2人・傍聴者2人と非参加者(“無関心層”)3人にインタビューを行うことで、戦後生まれの日本人がどう関われるのか、視聴者が一緒に考えていけるような内容を試みたつもりである。