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ΨNHK文化センター青山教室講座(初心者のための西洋史入門―近世スペイン―)資料

 

 

(フランシスコ・リシ画「異端判決宣告式」、プラド美術館所蔵)

 

 15世紀末カトリック両王の時代に、カスティーリャとアラゴンの同君連合が実現してスペイン王国が成立した。その後、両王の孫カルロスが国王に即位して、ハプスブルク朝スペインが始まった。カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)とフェリーペ2世の時代は「太陽の沈まぬ帝国」の時代と豪語され、スペインは絶頂の時代を迎えたとされる。続くフェリーペ3世とフェリーペ4世の時代は、衰退の兆しが顕著となっていくが、芸術・文学的には「黄金世紀」と称される時代で、セルバンテス、ベラスケスらの活躍がみられた。だが、こうした輝きの裏に、中世には独自の存在を許されていたユダヤ教徒やイスラーム教徒の強制改宗、同化の試みの失敗と弾圧・追放、カトリック教会的規範から外れた者たちの排除といった事実が横たわっていた。すなわち、異端審問制度による抑圧である。本講座では、スペイン帝国の時代の「光」と「影」の両面にアプローチしていきたい。

 

     222 カトリック両王とスペイン王国の成立

     229 16世紀スペインの繁栄、そして葛藤の社会

     314 帝国の陰りと宮廷文化の輝き

     328 衰退の時代、そして王朝の交替へ

【近世スペインに関する基本参考文献】

l         A.ドミンゲス・オルティス著(立石博高訳)『スペイン 三千年の歴史』(昭和堂、2006年)

l         立石博高編著『スペイン・ポルトガル史』(山川出版社、2000年)

l         立石博高ほか著『もうひとつのスペイン史』(同朋舎出版、1994年)

l         エリー・ケドゥリー著(関哲行・立石博高・宮前保子訳)『スペインのユダヤ人』(平凡社、1995年)

l         B.ベナサール著(宮前安子訳)『スペイン人――1619世紀の行動と心性』(彩流社、2003年)

 

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