授業の目標
- 一般向け学術書レベルのドイツ語を読みこなせるようになる。
- ドイツ語で理解したことを、文章語として整った形式・文体のドイツ語で要約・論評できるようになる。
- 社会・文化比較のための基礎的概念について日本語で批判的に論じられるようになる。
授業の概要
この授業は第一に外国語としてのドイツ語の力を高めるための授業です。春学期に引き続き、E. フロムによる『Haben か Sein か』第2部を題材に、主としてドイツ語の講読を行いながら、折に触れ、独作文能力を高める訓練を行います。
もうひとつの目的として、テクストの内容に即して比較文化論の視点を学習することも重視します。『Haben か Sein か』では日独(東西)文化比較も論点のひとつになっています。こうした比較において暗黙裡に前提とされる言語的感覚を、対照言語学的な視点から捉え直します。
授業の計画
- 第1回 導入
- 第2回 Die gewinnorientierte Gesellschaft - Basis für die Existenzweise des Habens (1)
- 第3回 Die gewinnorientierte Gesellschaft - Basis für die Existenzweise des Habens (2)
- 第4回 Das Wesen des Habens
- 第5回 Haben - Gewalt - Rebellion
- 第6回 ドイツ語による要約・論評の試み (1)
- 第7回 Die Existenzweise des Seins - Tätigkeit
- 第8回 Aktivität und Passivität
- 第9回 Sein als Wirklichkeit (1)
- 第10回 Sein als Wirklichkeit (2)
- 第11回 ドイツ語による要約・論評の試み (2)※
- 第12回 Der Wille zu geben, zu teilen und zu opfern (1)
- 第13回 Der Wille zu geben, zu teilen und zu opfern (2)
- 第14回 Der Wille zu geben, zu teilen und zu opfern (3)
- 第15回 ドイツ語による要約・論評の試み (3)※
成績の評価
「授業の目標」に対応するかたちで、以下の3つの観点から総合的に評価する:
- 読解力伸張のための努力と成果(事前課題への取り組み、授業への参加姿勢)50%
- 独作文力伸張のための努力と成果(事前課題への取り組み)20%
- 日独比較文化論または対照言語学的なテーマによる学期末レポート 30%
事前学習等
- 「成績の評価」(1)(2)にかかわる事前課題が与えられる。受講者はこれに取り組み、あらかじめ提出した上で、授業に臨む。
- 授業での学習を受け、事前提出課題に必要な修正を施し、再提出する。
受講上の注意
- 「授業の計画」に記した学習事項のうち※を付けたものをアクティブ・ラーニングで実施することにより、15回分の授業内容を13回で学習します。
- 春学期の同じ曜日・時限から継続して受講することが望ましいですが、春学期に受講できなかった場合でも、第1部をみずから通読し、その内容を把握した上で参加するのであれば構いません。
テキスト・教材
- Erich Fromm: Haben oder Sein, Stuttgart: Deutscher Taschenbuch Verlag, 2014.
入手方法は初回授業時に指示します