[[専門特殊研究]]

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-[[自己紹介:http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/corpuskun/wiki/index.php?%C2%BC%BE%E5%A1%A1%CC%C0#self-introduction]]
-[[研究計画・進捗状況:http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/corpuskun/wiki/index.php?%C2%BC%BE%E5%A1%A1%CC%C0#researchplan]]
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&aname(self-introduction){''&size(20){自己紹介};''};
-名前:村上 明
--小学校の最初の二年間で全ての漢字を習う、易しい名前です
-出身地:[[大阪狭山市:http://www.city.osakasayama.osaka.jp/]]
--大阪府狭山市ではなく、大阪府大阪狭山市です。埼玉県に負けたからです。
--[[日本最古のため池:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%AD%E5%B1%B1%E6%B1%A0_(%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BA%9C)]]があります
-現住所:府中市白糸台
--大学まで自転車10分です
--飲食店が付近に少なく、外食産業に貢献してきた身としては困っています
-学術的興味:英語教育に関すること全般、特にコーパスの英語教育への利用、言語政策、語彙
-非学術的興味(趣味):頭を使うことが好きです
--[[ディベート:http://www.e-nafa.net/]](学部時代はこれしかしていませんでした)
--卓球(中学時代の部活)
--[[将棋:http://www.sumutoko.com/chicago/nakama/club/shogi/shogi.html]](高校時代に力を入れていました)
--チェス(高校時代の部活)
-略歴:
--1984年3月 生まれる
--1999年3月 地元の公立中学校を卒業。ここまでは平穏な暮らし。
--1999年4月 父の仕事で[[イリノイ州アーリントンハイツ市:http://www.vah.com/]]へ。地元公立高校へ編入。
---シカゴ近郊です
---武豊騎手が海外初勝利を挙げた競馬場があります
---夏は40度まで上がり、冬は-20度まで下がります。しかも春と秋があまりありません。
---高校までは自転車で5分でした
---最初はESLクラスに入り、最後の一年間のみmainstreamに混じりました
--2002年6月 [[Prospect High School:http://phs.d214.org/]]なるところを卒業。帰国。
--2003年4月 [[大阪の代ゼミ:http://www.yozemi.ac.jp/les/kosha/index-osaka.html]]通いの後、[[上智大学外国語学部英語学科:http://www.info.sophia.ac.jp/engffs/index.html]]入学。
---学部・学科は当時の自分の興味と照らし合わせ、消去法で選びました
---学部時代の思い出はほぼ英語政策ディベート一色です
--2007年3月 上智大学外国語学部英語学科卒業
--2007年4月 東京外国語大学大学院言語応用専攻英語教育学専修コース入学
---進学することを4年の9月に決めました。よく受験勉強が間に合ったものだと思います。学部時代の恩師や受講した授業に感謝しています。
---進学先を3月下旬まで迷っていました

----
&aname(researchplan){''&size(20){研究計画・進捗状況};''};

%%%目的%%%~
日本・中国・韓国・台湾の英語教科書を多次元分析(MD分析)により比較し、それぞれの言語的特徴を掴む

%%%手法(手順)%%%
+分析対象とする言語特徴(e.g. 一人称代名詞、過去形、that節)を決める。可能な限り多く扱うようにするが、因子分析を行うためには言語特徴がテキスト数の1/3から1/10以下でなければいけない。また次元数と各次元に含まれる言語特徴群も、1:5であるべき(Biber, 1985)。先行研究では「3」の不適切なデータの排除を行った後に残ったのが概ね38-67特徴。
+それぞれの言語特徴の情報を対象となるテキストに付与する
+それらの頻度をテキスト毎に求め、1000語あたりの頻度に標準化する
+適切でないデータの排除
--短いテキスト(先行研究では25-200語未満)を除外する
--あまり見られない言語特徴は除外するか上位概念でまとめる
--頻度の推移が他の言語特徴と大きく重なる言語特徴(e.g.名詞と名詞の意味カテゴリー)は除外するか上位概念でまとめる
+因子分析
++言語項目を観測変数として探索的因子分析(最尤法、スクリー基準、斜交回転)を行う
++言語項目を因子に振り分ける。言語項目の因子負荷量の絶対値が0.3以上であれば、その因子に当該言語項目は含まれる。但し複数の因子に対して±0.3以上の負荷量があった場合は、絶対値がより大きい因子に含まれる。いずれの因子に対しても±0.3以上の負荷量がなかった場合は、その言語項目は分析対象から除外される。
++累積寄与率も報告する
+それぞれの因子(dimension/次元)に含まれる言語特徴群が最も広く共有する機能又は産出状況という面から次元を解釈する(e.g. informational versus involved production、 online versus offline production)
+次元値(dimension score)
++言語特徴の頻度を平均が0、標準偏差が1になるように標準化する
++各テキストにおいて、各次元に含まれるそれらの値を合計する。負の値も含む。
++各国教科書の平均次元値を算出する
++分散分析により、各国間に言語的な差があるかどうかを見る。有意差の有無だけではなく、r^2値を算出し、実質的な差を見る。→&color(red){A};
+(必要であれば)クラスター分析
++次元をpredictorとしてクラスター分析を行い、言語的に似ているテキストをまとめる
++意味のあるクラスターを解釈する→&color(red){B};
+AとBから教科書文を多面的に対照・比較する



%%%現在取り組んでいること・しなければならないこと%%%
-予備実験(7月中に因子分析まで通すことが目標)
--データ整備
---各国の教科書をレッスン単位に分割し、treetaggerでタグ付けする(→7/5終了。日本の高校の教科書を除き、計約50万語)
---どの部分を予備実験・本実験それぞれで対象とするかを検討
---予備実験では時間的な制約から無理だが、本実験では一つのレッスン内でも話す聞くと読む書くの二テキストにわけて扱おうかと考え中
--Biberの挙げている言語特徴が各国の教科書内でどの程度見られるかを検証
---予備実験の段階では、基本的にBiber (1988)のルールに従って正規表現で取り出す
---各言語項目の頻度をカウントする (→7/9終了)
---因子分析から次元スコアを算出(→7/10終了)
---並行してそのルールでは捉えきれない部分、TreeTaggerのタグ付けを用いてもっと楽に取り出せる部分を検討
---また、数ある言語特徴の中で何がTreeTaggerによる品詞タグ+正規表現で取り出せて、何が特別にタグ付けが必要か、何を諦めるかも考える
--統計と統計ソフトの勉強
---R勉強中(→挫折気味。一応因子分析はできた。)

-言語特徴
--Biberの挙げている言語特徴のほかに何を加えるべきかを検討中

-先行研究の調査
--MD分析を用いた先行研究を読むことに偏ってしまい、教科書関係の論文があまり読めていないので、それらを探して読む
--MD分析に関しては、MD分析を用いた論文ではなくMD分析に関する論文を中心に読む

//%%%課題%%%
//-因子分析にかけるには、言語特徴の3-10倍以上のテキスト数が必要となるが、どのように教科書文を細分化するか
//--先行研究のテキスト数は339-5847。テキストの平均語数は200-300語が多い模様



%%%探している論文・書籍%%%
-Altenberg (1989)	Studia Linguistica 43(2): 167-174
-浅野 (2004)「英語の脱英米化と英語教科書-中学英語教育のあり方と提案-」『(財)中央教育研究所教科書フォーラム 中研紀要No.02』 pp. 2-13
-木下他 (2004) 「日韓中の英語教科書の題材比較」『第30回全国英語教育学会長野研究大会発表要綱』pp. 347-353
-高木 (2003) 「中国と日本の中学校検定済英語教科書比較 : 登場人物同士の接触場面を中心に」東京家政大学紀要『英語英文学研究』Vol.9 pp. 62-77
-伴他 (2001) 「シンガポール英字新聞における計量言語的要因の変遷」『日本感性工学会誌感性工学研究論文集』第1巻2号 pp. 89-94
-Chujo, K. (2004). Measuring Vocabulary Levels of English Textbooks and Tests Using a BNC Lemmatised High Frequency Word List. In Nakamura et al. (eds.). '''English Corpora Under Japanese Eyes''' pp. 231-??
-Chujo, K. and Genung, M. (2003). Vocabulary-Level Assessment for ESP Texts Used in the Field of Industrial Technology. '''English Teaching,(The Korea Association of Teachers of English),58'''(3),pp.259-274
-塩見 (2002) 『文部科学省検定済中学校・高等学校教科書に現れた英語の語彙	』北星堂
-杉浦 (2002) 「高校英語教科書語彙リストの作成と使用語彙の検討」『Language Education & Technology』39: 117-136	
-長谷川・中條 (2004) 「学習指導要領の改訂に伴う学校英語教科書語彙の時代的変化:1980年代から現在まで」『Language Education & Technology』41: 141-155	
-中條他 (2008) 「「ゆとり教育」時代の高校教科書語彙を考える −1980年代と2000年代の高校英語教科書語彙の比較分析からの考察−」『英語コーパス研究』15:57-79
-Matsuo (2000). An analysis of Japanese high school English textbooks and university entrance examination: A comparison of vocabulary. '''ARELE, 11''', pp. 141-150
-Ogawa et al. (2005). A comparative study of lesson topics in high school textbook used in Japan, Korea and China. '''The Journal of ASIA TEFL, 2'''(4), 67-85
-石川 (2007). 「日韓高等学校英語化教科書に見る語彙の諸相:コーパス解析に基づく考察」『Studies in English Teaching & Learning in East Asia (JACET東アジア英語教育研究会)』2, 23-27
-鈴木 (2007). 「中学校英語教科書の分量についての考察--アジア諸国の英語教科書と比較して」『愛知淑徳大学言語コミュニケーション学会 言語コミュニケーション研究』
No.7 pp. 34-45
-杉浦 (2008). 「ベトナムの中学校英語教科書を分析する」『中央教育研究所 教科書フォーラム』No.6 pp. 28-37
-宇田・Krishna (2006). 「ネパールと日本における英語教科書比較研究」『埼玉大学紀要, 教育学部, 教育科学』Vol.55, No.1 pp. 59-69
-清水 (1999). 「日本と韓国の教科書比較研究 : 中学校課程から高校課程への連携を中心として」『鳴門教育大学 鳴門英語研究』Vol.12/13 pp. 13-21



%%%既読文献%%%
-MD分析を用いた研究~
--新たに因子分析あるいは主成分分析を行っているもの~
Biber (1985)、
Biber (1986)、
Biber (2003)、
Biber et al. (1998)、
Biber et al. (2002)、
Biber et al. (2007)、
Biber and Kurjian	(2007)、
Csomay (2007)、
Kanoksilapatham (2007)

--Biber (1988)などの既存の次元に沿ってMD分析を行っている研究~
Biber et al. (1998)、
Biber et al. (1998)、
Biber and Finegan (1986)、
Biber et al. (2004)、
Connor and Upton (2003)、
McEnery et al. (2006)


-MD分析に関する事項を使っている文献~
Ball (1994)、
Biber (1994)、
Biber (1995)、
Biber and Finegan (1991)、
Biber et al. (2002)、
Biber et al. (2003)、
Ghadessy (2003)、
Grieve-Smith (2007)、
Louwerse et al (2004)、
Mönnink et al (2003)、
Oostdijk (1988)、
Watson (1994)、
Watson (1995)




-教科書関連の文献~
--教科書間比較を行っている研究~
Biber and Reppen (2002)、
Koprowski (2005)、
石川 (2008)、
大井他 (2005)、
馬本 (2005)、
馬本 (2006)、
木下・清水 (1996)、
木下・清水 (1997)、
木下他 (2005)、
鈴木 (2000)、
中條他 (2006)、
中條他 (2008)、
中村 (2006)、
長谷川・中條 (2004)、
長谷川他	(2008)、
伴 (2002)、
平井・沖原 (2005)、
山添 (2006)

--教科書間比較は行っていない研究~
Gouverneur (2008)、
Reda (2003)、
Römer (2004)、
Römer (2004)、
塩澤・相澤 (1989)、
長谷川 (2004)、
長谷川他	(2006)




-その他~
Hout & Vermeer (2007)、
Labov (2008)、
McEnery (2003)、
山添 (2005)


以下は2007年度前期集中講義の課題として書いた、当時の研究計画です。現在の研究計画とは大幅に異なっています。
----
&aname(researchplan_past){以前の研究計画};

**目的 [#h91eff32]
・ESL環境で使用される英語の教科書とEFL環境で使用される教科書を比較し、語彙的・表現的側面での差異を明らかにする。~
・EFL環境の国や地域の文化面などでの差異や特性が、どのように英語の教科書、特にその本文に反映されているかを語彙的・表現的側面から明らかにする。

**仮説 [#mf4559c1]
1. EFL環境では授業時間の制約から新出語彙を短い文章の中で多く扱わなければならないため、EFL環境での教科書はあるメッセージを伝えるためにESL環境での教科書と比較して難易度の高い語を用いる傾向にあるのではないか。~
2. 上記と関連し、学校教育で扱われる英文の総量が多ければ多いほど、英文の密度は薄くなり、ある語彙が熟語表現などで複数回教科書に現れる確率が高くなるのではないか。~
3. 自国文化の表現も英語教育の一つの目的であろうから、英語圏の文化と異なる文化を有する国々であればあるほど、その国々固有の語彙等が教科書に占める割合が高くなるのではないか。

**コーパス [#tadbe73e]
基本的には各国の教科書の本文を集めたDIYコーパスとなる。教科書コーパスはほかにも多数作成されているようなので、それらが手に入るようであればそれらも活用したい。

**研究方法 [#x17bb155]
1. 各国の英語の教科書を集め、その本文を電子化する。その際に各国の英語教科書本文の総語数をカウントし、国単位でランク付けする。~
2. AntConcのKeyword List機能やそれに準ずるコンコーダンサーを用い、~
(a) 一般的なESLvs一般的なEFLでそれぞれに高頻度な語を調べる。その際に特定のESLやEFLの地域の色が強くならないように、各国から抽出する英文の量は一定に決めておく。~
(b) 一般的なESL+一般的なEFLvs個別のEFLでそれぞれに高頻度な語を調べる。前者ではやはり各国から抽出する英文の量は一定に決めておく。~
3. 高頻度語の理由を調べる。AntConcのCluster機能等を用いて、それらの語が特定の表現内で高頻度に用いられているのかどうかを調べる。

**データ分析 [#u2e6b748]
上記の3において、もしある語が特定の表現の中で高頻度に用いられているようであれば、その表現は当該国の文化等に関係することか否かを検討する。もしある語が高頻度で現れているものの特定の表現の中ではない場合や、上記で当該国の文化等とは関係がない表現である場合は、当該国と総語数ランキングとの関係性を見る。

**予想される結果 [#qc32df1c]
(仮説1に関して)~
「仮説」に記したことと重なるが、ESL環境では基礎的語彙の頻度が高いのではないだろうか。一方、EFL環境の総語数が少ない国や地域では他の国や地域と比較して高頻度と呼べる語は少ないのではないだろうか。ESL環境でのEFL環境と比較した時の高頻度語とその逆では、前者の方がAntConcで言うところのkeynessの値が大きいのではないだろうか。

(仮説2に関して)~
やはり「仮説」と重なるが、EFL環境の教科書は総語数が多ければ多いほど、ESL環境の教科書と語彙的特徴が似てくるのではないか。

(仮説3に関して)~
イスラム圏など英語圏とは大きく異なる文化を持つ国々の教科書は、それらの文化を反映するような語句が多く含まれているのではないか。

**教育的示唆 [#e11b17a4]
以上を通して日本の英語教科書を見た場合、教科書という面からの世界の中での位置がわかる。典型的なEFL環境での教科書ではないかと予想するが、そこから他国の英語教科書と比較することにより、日本の英語の教科書に何が足らないか、どうすれば改善出来るかが見えてくる可能性が高いのではないだろうか。


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