外国語教育学研究2016 のバックアップ(No.1) - 投野由紀夫授業用ホームページ

外国語教育学研究、言語教育基礎 †

本講義は Super Global University (SGU) の特設科目である。ヨーロッパ言語共通参照枠（CEFR）をヨーロッパの言語のみならずすべての外国語の学習・教育・評価に共通に利用して統一的なカリキュラムと評価を行うためには、どのような理論的枠組みの理解、言語材料の整備、教材・タスク・テストの開発などが必要かを総合的に論じる。

CEFRの基本的な理念と主要な概念の構造および中核となる can do ディスクリプタの作成とリストの妥当性検証に関して基本的な理解を深めてもらう。同時に、A1からC2までの言語能力レベルに関して、感覚を養うための familiarization のトレーニングも持つ。それをもとに各個別言語ではどのようなレベル別特徴が想定されるかを言語ごとに学生にレポートしてもらう。その際に、克服しなければならない問題点、言語ごとに利用できる言語リソース（学習材、語彙表、辞書、コーパス、など）の整理を行う。

イントロダクション：CEFR-J x 27 プロジェクトの背景
CEFR とは何か？
CEFR の基礎理念（１）：CEFR 第１章より
CEFR の基礎理念（２）：行動中心主義、共通参照レベル、言語教育の理念
CEFR の基礎理念（３）：共通参照レベル、can do ディスクリプタの特徴、CEFRレベルの規定
- アクティブ・ラーニング（１）：CEFR レベルに慣れるためにレベル別のデモ・ビデオを視聴する
CEFR のレベル感覚を磨く（１）：sorting exercise とディスカッション
CEFR のレベル感覚を磨く（２）：can do ディスクリプタを書いてみる
CEFR-J とは何か？
CEFR-J における can do ディスクリプタの作成と妥当性検証
CEFR-J の関連リソースの整備：CEFR-J Wordlist の整備
- アクティブ・ラーニング（２）：各言語ごとの学習語彙表の現状レポート
各言語の語彙表と学習レベルなどの現状レポート
CEFR-J 文法プロファイルの整備手法
各言語の文法の難易度レベルなどの現状レポート
CEFR-J テキストプロファイルの整備手法
まとめとディスカッション

SGU CEFR-J x 27 プロジェクトに貢献してくれる人材の養成も目的の１つとなっている。自分の言語で CEFR 基準で教育・学習・評価を行う、という課題設定をもって臨んで欲しい。将来は授業を取る以外に、プロジェクトのために活躍してもらえる人材を輩出したい。