要訣・朝鮮語
「…するつもりだ」のたぐい


 「…するつもりだ」に類する表現は、基本的に「II-ㄹ 名詞이다」という形式で表される。「I-는」でなく「II-ㄹ」を使うところがミソだ。

 1.II-ㄹ ’생각이다 

 생각 は「考え」という意味なので、「…する考えだ」という意味である。「II-ㄹ」連体形の直後の平音は無条件に濃音化するので「생각」は [쌩각] と発音されるのに注意。また「-이다」の代わりに「-으로」をつければ「…するつもりで」という接続形になり、「-이 있다/없다」をつければ「…するつもりがある/ない」となる。このあたりは日本語と同じだ。
 2.II-ㄹ 마음이다 

 「心」がついて「…する心だ」という表現で「…するつもりだ」という意味を表す。心意気が物を言う言い方か??
 3.II-ㄹ ’작정이다 

 작정 は漢字で書くと「作定」、漢文読みすると「定めをなす」で、心を決めるという意味だ。上の「II-ㄹ ’생각이다」より意図がはっきり現われるようなので、使い方に注意が必要。「II-ㄹ」の後ろなのでやはり [짝쩡] と濃音化する。
 4.II-예정이다 

 直訳すると「…する予定だ」となる。日本語と同じく「…する予定だ」という意味もあるが、それ以外に「…するつもりだ」という意味にもなる。「予定」というだけに、ちょっと一歩引いて言うニュアンスがあろうか。ここではリエーゾンが起こって [례정] と発音される。
 5.II-ㄹ⌒터이다 

 この形は終止形では聞かなくなった。若い人はあまり使わないらしい。「터이다」が縮まって「테다」ともなる。  ただし、縮まった形「테다」の接続形「II-ㄹ⌒테니[까]」は今でも盛んに使われる。「…する(つもり)だから」という意味である。後ろには命令を表す表現が来る。  上のような文は、日本語から朝鮮語を作るときに「…するから」を直訳して「II-니까」としてしまうことが多いが、実はこのような言いかたの方がより自然なのである。
 なお、同じ「터이다」の接続形でも II-ㄴ데 がついた「II-ㄹ⌒텐데」は「つもり」の意味にはならず、「…するだろうに」という推量の意味になる。「実際はそうしない」という仮定法的な表現。過去形「III-ㅆ을⌒텐데」がありうる。
 6.II-ㄹ까(北:-ㄹ’가) 하다 

 ここからは今までとは異なって、「하다」を使った形が並ぶ。「…しようか」という意味の「II-ㄹ까」に「思う」という意味の「하다」が来て、「…しようかと思う」。単語の構成は関西弁の「…しよか思う」と同じで「…と」に当たる部分がないのがミソ。話し言葉では「하다」の代わりに「그러다」も多用される。  また、「하다」の代わりに「싶다 シタ」も用いられる。ただし、「II-ㄹ까 싶다」は「…だろうかと思う」という推量の意味もある。
 7.II-려[고] 하다 

 「…しようと思う(する)」。「…しよう」だからといって「I-자」は使えない。「II-ㄹ까 하다」と同様に話し言葉では「그러다」がよく用いられる。また、話し言葉では「II-려고」の方も「II-ㄹ라[고]」と形を変えることがままある。  後ろには「하다」のみならず、さまざまな語が来て文を続けることができる。
 8.I-고자(北:-고저) 하다 

 「…しようと思う(する)」。「II-려[고] 하다」とほぼ同じ意味だが、こちらの方がやや書き言葉的。

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