일본어 원문
朝鮮の娘たち
今年の六月, 京城の朝鮮人學校で, 總督府の手先である校長が生徒の信望あつい一敎師をこっそり首切った. 告別の日が來た. 講壇にのぼった校長が猫なで聲ではじめたそのとき
一人の娘が立ち上がって叫んだ
―― 噓だ!
も一人の娘が續いて叫んだ
―― それは噓だ!
―― 噓だ!
―― 噓だ!
―― 噓だ!
のこらずの娘たちが講壇に驅けあがった
ベルにかけた校長の手を押えた
娘たちは重なり合い
紅い咽喉をいっぱいにあけ
からだをもじりながら叫んだ
―― おまえのいうことは噓だ!
―― あやまれ!
そのとき娘たちは遠い靴おとを聞いた
それが近づいて來た
娘たちはカケガネの音を聞いた
扉のひびわれるめりめりという音を聞いた
校長がぶったおれた
その顔を足がむちゃくちゃに踏んだ
憲兵と巡査がなだれこんだ
帽子の顎ひもがちぎれ
ピストルのサックが飛び
サ-ベルがきしりながらねじまがった
そしてそれらいっさいの名狀しがたい騷音の上に
朝鮮の娘たちの
はげしいふるえる喚聲が
たかくたかく
まぎらしがたく もみけしがたく萬歲した
雨の降る品川驛
辛よ さようなら
金よ さようなら
君らは雨の降る品川驛から乘車する
李よ さようなら
も一人の李よ さようなら
君らは君らの父母の國にかえる
君らの國の川はさむい冬に凍る
君らの叛逆する心は別れの一瞬に凍る
海は夕ぐれのなかに海鳴りの聲をたかめる
鳩は雨にぬれて車庫の屋根からまいおりる
君らは雨にぬれて君らを追う日本天皇を思い出す
君らは雨にぬれて 鬚 眼鏡 猫脊の彼を思い出す
ふりしぶく雨のなかに綠のシグナルはあがる
ふりしぶく雨のなかに君らの瞳はとがる
雨は敷石にそそぎ暗い海面におちかかる
雨は君らの熱い頰にきえる
君らのくろい影は改札口をよぎる
君らの白いモスソは步廊の闇にひるがえる
シグナルは色をかえる
君らは乘りこむ
君らは出發する
君らは去る
さようなら 辛
さようなら 金
さようなら 李
さようなら 女の李
行ってあのかたい 厚い なめらかな氷をたたきわれ
ながく堰かれていた水をしてほとばしらしめよ
日本プロレタリア-トのうしろ盾まえ盾
さようなら
報復の歡喜に泣きわらう日まで
돌아감