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タイトルㄱに続くㅂ音
記事No9
投稿日: 2008/08/14(Thu) 23:29:41
投稿者越南美
参照先http://korealunch.exblog.jp/
お世話になります。
さて,韓国語ネイティブが「뵙겠습니다」と言う際,「뵙」のㅂ音がㄱ音に変化し,「뵉겠습니다」と言っているように聞こえます。
また「독립기념관」も「동닉기념관」に聞こえます。
外国人向けの韓国語学習書には,このような現象は記載されていないと思います。韓国では未だ規範化されていない音変化なのでしょうか?(あたかも日本語の「体育」の「たいいく」と「たいく」のように)
御教示ください。

タイトルRe: ㄱに続くㅂ音
記事No10
投稿日: 2008/08/15(Fri) 13:45:15
投稿者趙義成
参照先http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/
「ㅂ+ㄲ」が「ㄱ+ㄲ」に、さらには終声が聞こえずに初声「ㄲ」だけのようになる現象は、話し言葉の発音では非常によく聞かれるものです。これらは同化現象の一種ですが、標準発音法では認められていないため、学習書でも扱われないことが多いようです。

私の知るところでは、菅野裕臣著,浜之上幸・権容璟改訂『朝鮮語の入門 改訂版』(白水社)の115ページで「話し言葉での速い発音」としてこれらの現象について言及しています。

口音の終声(ㅂ,ㄷ,ㄱ)については、[ㅂ+ㅃ]、[ㄱ+ㄲ]、[ㄷ+ㄸ]、[ㄷ+ㅉ]、[ㄷ+ㄲ]などにおいて終声が発音されないこと(학교[학교→하꾜]‘学校’など)、また[ㅂ+ㄲ]は[ㄱ+ㄱ]→[ㄲ]となり終声ㅂが発音されないことについて触れています。

鼻音の終声については、(1)ㄴ+ㅁ、ㄴ+ㅂ、ㄴ+ㅃ、ㄴ+ㅍでの終声ㄴがㅁになる(신문[심문]‘新聞’)、ㄴ+ㄱ、ㄴ+ㄲ、ㄴ+ㅋでの終声ㄴがㅇになる(존경[종경]‘尊敬’)、ㅁ+ㄱ、ㅁ+ㄲ、ㅁ+ㅋでの終声ㅁがㅇになる(감기[강기]‘風邪’)という現象についての言及があります。

『朝鮮語の入門』はとっつきにくい印象がありますが、詳細な記述がなされているので級が上がっても参照するにたえる学習書です。同様にして菅野裕臣他著『コスモス朝和辞典』(白水社)の発音の記述も、他の辞書には見られないほど細かい現象について触れています。学習が深まっていくと、このようなマニアックな(職人的な)記述が楽しいですね。

タイトルRe^2: ㄱに続くㅂ音
記事No13
投稿日: 2008/08/19(Tue) 20:25:06
投稿者越南美
参照先http://korealunch.exblog.jp/
御回答ありがとうございます。

韓国語の終声は厳密なようでいて,結構次に続く音によって変化しているのですね。
(先生のページの主題から離れますが,音韻的に異なるとされている中国語の終声の「n」と「ng」も,次に続く音によって変化しているように感じます。ex.「很好」 henhao→henghao?」)

また流音化やリエゾン等,教科書に載っている「規範化」された変化と,そうではない口語的な変化があることも勉強になりました。

ありがとうございました。