2008年度帰国者の留学体験記

杉橋郁子(2005年入学)

インドネシア大学(2008年1月–2008年12月)

そもそも私がインドネシア語を専攻したのは南国情緒ある国に対する漠然とした憧れからでした。そして、せっかく勉強しているのだからもっとペラペラになりたい!と思い、実践の場を求めて1年間の休学留学を決意しました。インドネシア大学では最初の半年間で外国人向けインドネシア語コースを受講し、後半は健康科学部で現地の学生に交じって栄養学を学んでいました。

1年間で語学力が向上したこともそうですが、この1年間で大きな収穫がもう一つあります。それは、日本で勉強しているとつい見落としがちな「実際にそこに生活する人たちの存在」を体感認識できたことです。学生・研究家・家政婦・物乞い等々、さまざまな人たちとの出会いを通じて、それまで国という枠で大まかに捉えていたインドネシア像が、より立体的で中身のある色つきの像となりました。もちろん多民族が共生するあの国で私が見たのはインドネシアのほんの一部に過ぎません。しかしそういった状況も含めて自分はインドネシアという国の一体何に関心があるのか、今後具体的にどの分野を深く掘り下げたいのかを明確にできたことは、今後の学習意欲にもつながっていくと思います。

実際に生活してみると以前のような憧れはだいぶ薄れてきましたが、今は人間臭いインドネシアに違う魅力を感じています。