要旨

「初級日本語学習者の個人指導の報告―教室と生活場面との媒介として―」

本稿は初級日本語学習者に対し、クラス単位での日本語コースの受講と並行して11か月にわたり1対1の個人指導を行った事例を報告する。そしてこのような個人指導による学習が、教室で行われるクラス単位の日本語学習と、学習者が日々直面する実際の生活場面とを結び付ける媒介としての機能を果たすことを指摘する。

日本語教育に関してはそのニーズなどの多様化に伴い、学習者の自律的な学習を助ける学習支援システムの必要性が問われるようになっている。このような個人指導の持つ意義を見直し、これを複合的な学習支援体制の中に組み入れ有効に機能させていくことは今後課題の一つとなると思われる。

キーワード:
初級日本語学習者、学習支援システム、個人指導、予習機能、復習機能

A Case Study of Individual Japanese Lessons at the Beginner's Level:
       Linking Classroom Study and Everyday Language Use