要旨

「意味的な誤用に見られる主な傾向―慣習的に定着した表現および類似の表現に関わる誤り―」

日本語学習者の作文データにおいて「意味的」な誤用であると分析された例を検索し、そこにどのような誤用の傾向が見られるかを分類した。

意味的な誤用には大きく分けて、慣習的に定着した表現に関わる誤りと、類似の表現に関わる誤りとが観察された。慣習的に定着した表現の誤りとしては、コロケーション(連語)、漢字熟語、その他慣用的な言い回しに関する誤りが観察された。また類似の表現との混同には、意味と音が関わっていることが観察された。

また漢字使用に関わる誤りのうち他の漢字との混同が生じる場合には、意味・音・形の類似および近接して使用される他の漢字との混同が関与していることが観察された。

キーワード:
作文、誤用、コロケーション、漢字熟語、慣用的な言い回し、類似の表現