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ご入学おめでとうございます!(2017年度入学式)

2017年04月08日掲載

2017年4月8日(土)、2017年度入学式が本学アゴラ・グローバル プロメテウス・ホールにおいて行われ、言語文化学部404名(編入学15名含む)、国際社会学部413名(編入学15名含む)、大学院総合国際学研究科博士前期課程/後期課程163名、留学生日本語教育センター72名の計1,052名の新入生が入学を許可されました。

2017年度入学式学長式辞

170408_05_2.jpg入学許可

170408_06.jpg学長式辞

170408_07.jpg藤村留学生日本語教育センター長祝辞
170408_08.jpg長谷川東京外語会理事長

170408_09.jpg道宗学生後援会会長
170408_01.jpg混声合唱団「コール・ソレイユ」による大学歌合唱

170408_02.jpg人気記念撮影地の大学モニュメント
170408_04.jpg会場のアゴラ・グローバル前にて

170408_03.jpgキャンパスは桜が満開

2017年度入学式学長式辞

170408_06.jpg学長として東京外国語大学を代表して、皆さんのご入学を心よりお祝い申し上げます。
また、本日、研究講義棟101マルチメディアホール等にてこの式辞をお聞きいただいている保護者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
本日ここに、言語文化学部404名の新入生(編入学者15名を含む)、国際社会学部413名の新入生(編入学者15名を含む)、大学院総合国際学研究科博士前期課程・後期課程163名の新入生、また留学生日本語教育センター72名の新入生をお迎えしております。希望に満ち溢れる皆さんを前にして、身も心も引き締まる思いです。

皆さんの新しい学び舎となる東京外国語大学は、1857年に開校された蕃書調所にその起源をさかのぼることができます。そして1873年に、英独仏魯清の5学科からなる東京外國語学校が設置されました。その後、紆余曲折を経て、1897年、当時の高等商業学校の附属外国語学校として創立され、1899年、東京外国語学校として独立します。その後、1949年の新制大学の発足とともに、東京外国語大学として新たなスタートを切りました。
本学、東京外国語大学の英語名称は、《Tokyo University of Foreign Studies》であって、《Tokyo University of Foreign Languages》ではないことを心に留めておいてください。この名称は1949年の新制大学発足とともに採用したものですが、「Foreign Studies(外国研究)」としたのは、たんに外国語を学ぶのではなく、「世界の言語とそれを基底とする文化一般」をあわせて学ぶことによってはじめて、「国際的な活動をするために必要な高い教養」を獲得することができるという理念からです。皆さんが、言語研究(Language Studies)と地域研究(Area Studies)を二つの柱とする東京外国語大学で、しっかりと「Foreign Studies(外国研究)」にいそしんで、近い将来、世界の諸地域で、英語と地域言語を駆使し、異文化理解力を備えた「多言語グローバル人材」として活躍されることを期待しています。

さて皆さんは、「世界終末時計」というものをご存じでしょうか。米国の『原子力科学者会報』という雑誌の表紙に描かれている時計ですが、真夜中の12時を終末時刻として、その時刻に近いか遠いかで世界終末の危機の深刻さをはかろうとするものです。最近、その終末時計が30秒も進み、2分30秒前とされたのです。これまで最も終末時刻に近づいたのが、米ソの水爆実験の成功を受けた1953年で、この年には真夜中の2分前にまで針が進みました。米国で「自国ファースト」を掲げる政権が誕生するなど、いま世界は不安定化しており、このことに対して科学者たちが大きな危機意識を抱いていることの証左といえます。

加えて、客観的な事実を軽視して個人の感情に訴える「ポストトゥルース」と呼ばれる状況が生まれています。「ファクト(事実)」に対して「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」を代替して、自己の立場を正当化する思考法すら誕生しているのです。このままでは、ジョージ・オーウェルが1949年に出版した小説『1984年』に描いた「二重思考Doublethink」、つまり「一つの精神が同時に相矛盾する二つの信条を持ち、その両方を受け容れる能力The power of holding two contradictory beliefs in one's mind simultaneously, and accepting both of them」が、私たちの思考法になっていくかもしれません。

こうした状態に陥らないために私たちは、近代歴史学が培ってきた科学的思考法を身につけ、つねづねそれを実践する必要があると思います。そんなに難しいことではありません。ある事実を説明するときに論理の飛躍や矛盾がないかという「論理整合性」、そしてできるだけ客観的な事実に裏付けられているかを検証するという「事実立脚性」です。たとえば、1929年に始まった世界大恐慌を、1917年に起こったロシア革命の原因とすることは絶対にありえないのです。

「ポストトゥルース」というと「トゥルース(真実)」とは何かという厄介な問題になり、自分こそが「真実」を語っているのだという決着のつかない争いになります。ですが、もともと英語圏で論じられていたように、「事実にもとづかない政治post-factual politics」のことだと言い換えますと、当然ながら私たちは、そうした非-事実にもとづいた政治を許容してはならない、ということになるでしょう。どうか皆さんは、「論理整合性」と「事実立脚性」という二つの約束事を守って、本学で主体的に学び、それぞれの専門性を高めていってほしいと思います。

そして、どうか皆さんが、本学での学びを通して、「国民Nation」の壁を乗り越える"International"、「文化Culture」の壁を乗り越える "Intercultural"の態度を備えた地球市民として成長していかれるよう願ってやみません。

《留学生日本語教育センターの入学生への英語メッセージ―――
最後になりますが、留学生日本語教育センターにご入学の皆さんにも一言述べさせていただきます。
Lastly, I would like to say congratulations to our new students here at Japanese Language Center for International Students.
JLC is a leading Japanese language educational institution established in 1970. It has been under the Joint Usage Center for Education, since 2012.
It is my most sincere wish that your Japanese language abilities blossom while here at JLC. May you take the language and culture learned here at JLC and move on to your own area of expertise.
Finally, I hope that in the future you may become a bridge between Japan and your own place.
Thank you.》

これをもちまして、私の式辞といたします。

2017年4月8日 国立大学法人東京外国語大学長 立石博高