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2019年後期 日本語演習 河津

大学生の話し言葉をターゲットとして学びます

勉強した話し言葉のルール（新しい順）

• 常体で話す場合は、敬体を混ぜると壁ができる。「はい」もだめ。
• 「～って言う」（「～と言う」と言わない）。cf「思う」は「～と思う」とよく言う。
• 「あの人」← 自分も相手も知っている人。「その人」← 自分だけ、または相手だけが知っている人。
• 友達に話しかけるときの文末表現「きのう深澤先生に会ったんだー」 文末を高めの平坦調で言う。「実は...のだ」の文法。
• 単純な文では「を」と「は」を言わない。「が」は省略できない場合がほとんど。
• 自分に対してなら、けんかになる言葉を使える。「あっ、そうか！」「しまった。宿題があったのか！」「よし、あと1時間がんばるか！」
• 普通体＋「か？」→けんかになる言葉。「行くか？」「これか？」「元気か？」「寒いか？」
• これだな（これだよな）の「な」は「ね」と同じ機能。けんかになる言葉
• 「暑いですね」の「ね」は同意を期待した発話。特別なことがない限り同意する。

勉強した発音のコツ（新しい順）

• 台湾の学生：「間が大切」の「が」が摩擦音でなく強い破裂音、「まっか大切」に近づいた音になる。
  母音に後続するガ行、ざ行、ダ行、バ行は、破裂音でなく摩擦音で言いましょう。例：「ございます」の「ざ」を[dza]でなく[za]
  語中でも撥音「ん」の直後は破裂音です。
• 台湾の学生：平板型アクセントの直後の助詞が平板型でなく尾高型アクセントになる。例「間が大切」
• 台湾の学生：「ホームページ」の第4拍「ペ」が高く聞こえた。句頭をしっかり上げましょう。
• しっかり発音しましょう：Ｎ「エヌ」、 ￥「エン」、Ｖ「部位」と同じ、「ウイルス」
• 私の印象ですが...
  「ウィ、ウェ、ウォ」は定着していない。語の後半に多く見られるが、「イ、エ、オ」として拍を認識しているだけかも知れない。
  「クウィ、クウェ、クウォ」は、さらに定着していない。「クヮ、クィ、クェ、クォ」は発音できない。
  「スウィ、スウェ、スウォ」は、ある程度区別できる。「スィ、スェ、スォ」は存在しない。
  「ファ、フィ、フェ、フォ」は定着済
  「ティ、ディ、デュ」は定着済。「テュ」はある程度区別できる。
  表記も発音も新型に移行済1：フアン→ファン、フエーン現象→フェーン現象
  表記も発音（拍数）も新型に移行済2：バードウォッチング、ストップウォッチ（発音はストップオッチ？）
  発音で区別できるが旧型が残る：フイルム、スイング、ヒューズ、チーム、デジタル（cfディジット）
  表記は新型、発音は旧型：ウィンター、ウィスキー（ウイスキー）、クウォーター（クオーター）
  表記も発音も旧型：「クイック」「クエスト」「ウエット」「ウインク」「トウェンティー（トゥウェンティでない。トエンティーと言う人もいる）」
• 「3の3倍は3が3。」と言うときの「ん」は、先頭から[n, m, ŋ, ɴ]。4つ目は口蓋垂鼻音[ɴ]
• 韓国の学生：文末の「ん」が聞こえないことがある。原因は持続時間でなく音調かも知れない。調音点も工夫が必要。
• 韓国の学生：長音を含む拍にアクセント核を置くのが言いにくいが、2拍だけなら言える。「カーテン」と言いたい時は、「カー、カーテン」と練習する。
• 台湾の学生：「とても難しい」「すごく上手」「少し足りない」などは、通常、第2語の句頭で上昇しない（第2語を強調しない）。2語を1つの言葉のように発音する。
• 「うん」は母音を含む。「ううん」は子音だけ。
• 台湾の学生：ガ行、ザ行、ジャ行の子音は、語中など母音の直後に摩擦音で言う。例：エジプト、葉書、異常。句頭や撥音の直後は破裂音でよい。
• 「している」→「してる」9割以上(?)。「しておく」→「しとく」8割(?)。「してしまう」→「しちゃう」5割(?)
• オノマトペが副詞的に使われる時は1型アクセント、他の環境では0型アクセント
• 「へ」の字型イントネーションの句頭上昇が大切。明るく元気に聞こえ、アクセント（下降）もコントロールしやすくなる。

こんな風に聞こえました（新しい順）

• 台湾の学生：「日が射さない」が「ヒカ射さない」、「血が出る」が「地下出る」に聞こえた。（第1拍の無声化が原因）
• 台湾の学生：「はじめて」が「はちめて」に聞こえた。
• 台湾の学生：「くず」が「くつ」に聞こえた。
• 台湾の学生：「マウスパッド」が「マオスパッド」に聞こえた。
• 台湾の学生：「パンスト」が「パンストー」に聞こえた。
• 韓国の学生：「キム・フィジュ」が「キム・フィージュ」に聞こえた。
• 韓国の学生：「ビーフカレー」が「B風カレー」に聞こえた。母音の無声化が必要です。
• 韓国の学生：「セクハラ」が「セクアラ」に、「アメフト」が「アメウト」に聞こえた。母音の無声化も必要です。
• 韓国の学生：「パソコン」が「パソコーン」（3型）に聞こえた。
• 台湾の学生：「けーえーちゃん」が「けーえーちゃ」に聞こえた。
• 台湾の学生：「スピーチの準備やってる？」が「スピーチの、準備やってる？」と聞こえた。
• 韓国の学生：「ドクター」が0型に聞こえた。
• 韓国の学生：「ジャングル」が2型に聞こえた。
• 韓国の学生：「コピー」が「コーピー」に聞こえました。
• 韓国の学生：「キュート」が「キュートー」に聞こえた。
• 台湾の学生：「難しくなかかった？」の「む」が弱く「mzuka...」と聞こえた。
• 台湾の学生：「宿題」の第1拍に続き第2拍まで無声化して「shktai」と聞こえた。
• 韓国の学生：「ポピュラー」が「ポッピュラー」に聞こえた。
• 台湾の学生：「ジュニア」が「じゅうにあ」（2型）に聞こえた。
• 台湾の学生：「む」が弱くなったり [m] になったりした。

音声学

• International Phonetic Alphabet
• 子音の調音法：破裂音（閉鎖音）、摩擦音（伸ばして言える）、鼻音、
• 子音の調音点：両唇[p, ɸ, m]、歯茎[t, s, n]、軟口蓋[k, x, ŋ]

1拍0型アクセントの名詞

• 1拍1型で発音すると通じにくいので、アクセントを記憶してしまいましょう：
• 葉の裏には日が射さない。蚊がいる。蛾もいる。蝶の子と蛾の子は差がある。蛾の幼虫には毛が生えている。あまり気にすると、胃が痛くなる。でも血が出たりはしない。
• スピーチは間が大切。上手に間を取ると場が盛り上がる。この授業は身になる
• 戸を閉める。名を残す、荷が重い。具が多い。麩の味噌汁。痔になる。藻が生える。炉で燃やす。柄のついた棒

勉強した語句（新しい順）

• 擬態語を含む名詞（0型）：ガブ飲み、チラ見、ゴロ寝、ゴチャ混ぜ、びしょぬれ
• 擬態語を含む名詞（中高型）：のろのろ運転、にこにこ顔、ひそひそ話、よちよち歩き、とんとん拍子、かさかさ声
• もたつく
• きれいさっぱり（1型＋3型）
• よちよち歩き（5型）の赤ちゃん
• 元気モリモリ（1型＋0型）
• ベートーベンの交響曲第5番「運命」→「ジャジャジャジャーン！」（3型）

2019年度 授業日程 木曜2限 A547教室

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