III 史学史的反省/理論的省察
「I 近代歴史学から現代歴史学へ」で取り上げた文献は省略しましたが、
まずはそれらの諸著作、諸論文を参照してください。
遠山茂樹『戦後の歴史学と歴史意識』岩波書店、1968年
成瀬治『世界史の意識と理論』岩波書店、1977年
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山之内靖『マルクス・エンゲルスの世界史像』未来社、1969年
角山栄、速水融編『講座西洋経済史 V 経済史学の発達』同文館、1979年
林達夫、久野収『思想のドラマトゥルギー』平凡社、1993年
増田四郎『ヨーロッパとは何か』岩波書店、1967年
——『社会史への道』日本エディタースクール出版部、1981年
中井信彦「史学としての社会史」『思想』663号、1979年9月
——『歴史学的方法の基準』塙書房、1973年
斉藤孝『昭和史学史ノート——歴史学の発想』小学館、1984年
小谷汪之『歴史の方法について』東京大学出版会、1985年
谷川道雄『中国の中世——歴史と人間』日本エディタースクール出版部、1987年
川勝義雄『中国人の歴史意識』平凡社、1993年
尹健次『孤絶の歴史意識——日本国家と日本人』岩波書店、1990年
鹿野政直『近代日本の民間学』岩波書店、1983年
——『「鳥島」は入っているか——歴史意識の現在と歴史学』岩波書店、1988年
——『化生する歴史学——自明性の解体のなかで』校倉書房、1998年
——『近代日本思想案内』岩波書店、1999年
——『日本の近代思想』岩波書店、2002年
安丸良夫『<方法>としての思想史』校倉書房、1996年
深谷克己『綱引きする歴史学——近世史研究の身構え』校倉書房、1998年
成田龍一『歴史学のスタイル——史学史とその周辺』校倉書房、2001年
網野善彦『「日本」とは何か』講談社、2000年
遅塚忠躬、近藤和彦編『過ぎ去ろうとしない近代』山川出版社、1993年
川田順造編『「未開」概念の再検討 I・II』リブロポート、1989-1991年
E・H・カー(清水幾太郎訳)『歴史とは何か』岩波書店、1962年
デヴィッド・キャナダイン編(平田雅博、岩井淳、菅原秀二、細川道久訳)『いま歴史とは何か』ミネルヴァ書房、2005年
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ヴァルター・ベンヤミン「歴史の概念について」
『ベンヤミン・コレクション1 近代の意味』(浅井健二郎編訳、久保哲司訳)筑摩書房、1995年所収
フリードリヒ・ニーチェ(小倉志祥訳)「生に対する歴史の利害について」『反時代的考察』筑摩書房、1993年所収
シャルル・セニョボス、シャルル=ヴィクトール・ラングロア(八本木浄訳)『歴史学研究入門』校倉書房、1989年
中野隆生「「新しい歴史学」の現在——アナールの「批判的転回」をめぐって」『人民の歴史学』2000年、第143号も参照のこと
マルク・ブロック(松村剛訳)『新版 歴史のための弁明――歴史家の仕事』岩波書店、2004年
(旧訳(讃井鉄男訳)『歴史のための弁明——歴史家の仕事』岩波書店、1956年)
新訳と旧訳とでは、使っている原書の版が異なります。
——(高橋清徳訳)『比較史の方法』創文社、1978年
訳者解説が有益
二宮宏之『マルク・ブロックを読む』岩波書店、2005年
リュシアン・フェーヴル(長谷川輝夫訳)『歴史のための闘い』平凡社、1995年
井上幸治編『フェルナン・ブローデル 1902-1985』新評論、1988年
フランソワ・ドッス編(浜名優美訳)『ブローデル帝国』2000年
イザベル・フランドロワ(尾河直哉訳)『『アナール』とは何か——進化しつづけるアナールの100年』藤原書店、2003年
福井憲彦『「新しい歴史学」とは何か——アナール派から学ぶもの』講談社、1995年
——編『歴史のメトドロジー』新評論、1984年
竹岡敬温『『アナール』学派と社会史——「新しい歴史学」へ向かって』同文館、1990年
——、川北稔編『社会史への途』有斐閣、1995年
アーロン・グレーヴィチ(栗生沢猛夫、吉田俊則訳)『歴史学の革新——「アナール」学派との対話』平凡社、1990
ピーター・バーク(大津真作訳)『フランス歴史学革命——アナール学派1929-89年』岩波書店、1992年
ポール・ヴェーヌ(大津真作訳)『歴史をどう書くか——歴史認識論についての試論』法政大学出版局、1982年
ジェラール・ノワリエル(小田中直樹訳)『歴史学の<危機>』木鐸社、1997年
ポール・リクール(久米博訳)『時間と物語I・II・III』新曜社、1987-1990年
ミシェル・ド・セルトー(佐藤和生訳)『歴史のエクリチュール』法政大学出版局、1996年
——(内藤雅文訳)『歴史と精神分析——科学と虚構の間で』法政大学出版局、2003年
D・E・スタナード(南博訳)『歴史を精神分析する——フロイトと真理歴史学の失敗』岩波書店、1986年
ピーター・ゲイ(成田篤彦、森泉弘次訳)『歴史と精神分析』岩波書店、1995年
——(坂口明徳、大島由紀夫訳)『フロイトを読む——探求と逍遥』法政大学出版局、1995年
——(鈴木利章訳)『歴史の文体』ミネルヴァ書房、2000年
H・スチュアート・ヒューズ(生松敬三、荒川幾男訳)『意識と社会——ヨーロッパ社会思想
1890-1930』みすず書房、1970年
G・バラクラフ(松村赳、金七紀男訳)『歴史学の現在』岩波書店、1985年
リチャード・J・エヴァンス(佐々木龍馬、與田純訳)『歴史学の擁護——ポストモダニズムとの対話』晃洋書房、1999年
ユルゲン・コッカ(肥前栄一、杉原達訳)『歴史と啓蒙』未来社、1994年
ゲオルグ・イッガース(中村幹雄ほか訳)『ヨーロッパ歴史学の新潮流』晃洋書房、1986年
——(早島瑛訳)『20世紀の歴史学』晃洋書房、1996年
S・N・アンゼンシュタット(内山秀夫訳)『文明としてのヨーロッパ——伝統と革命』刀水書房、1991年
シーダ・スコチポル(小田中直樹訳)『歴史社会学の構想と戦略』木鐸社、1995年
ポランニー、アイゼンシュタット、ベンディックス、ペリー・アンダーソン、エドワード・トムスン、
チャールズ・ティリー、ウォーラーステイン、バーリントン・ムーア、マルク・ブロックがとりあげられている。
二宮宏之「マルク・ブロックと歴史社会学」『歴史学再考』所収 参照のこと。
小田中直樹『歴史学のアポリア——ヨーロッパ近代社会史再読』山川出版社、2002年
岡崎勝世『キリスト教的世界史から科学的世界史へ——ドイツ啓蒙主義歴史学研究』勁草書房、2000年
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ソール・フリードランダー編(上村忠男、小沢弘明、岩崎稔訳)『アウシュヴィッツの表象と限界』未来社、1994年
ヘイドン・ホワイト(上村忠男訳)「歴史のプロット化と真実の問題」同書所収
——[ヘーデン・ホワイト](富山太佳夫訳)「ロマンスとしての歴史的リアリズム」『現代思想』1979年5・6月
——(海老根宏、原田大介訳)『物語と歴史』《リキエスタ》の会、2001年
W・J・T・ミッチェル編(海老根宏ほか訳)『物語について』平凡社、1987年 から抜粋された4編が収められている
ドミニク・ラカプラ(前川裕訳)『歴史と批評』平凡社、1989年
——(山本和平、金井嘉彦、内田正子訳)『思想史再考——テクスト、コンテクスト、言語』平凡社、1983年
アーサー・C・ダントー(河本英夫訳)『物語としての歴史』回文社、1989年
神川正彦『歴史における言葉と論理——歴史哲学基礎論I・II』勁草書房、1970-1971年
野家啓一『無根拠からの出発』勁草書房、1993年
——『言語行為の現象学』勁草書房、1993年
——『物語の哲学——柳田國男と歴史の発見』岩波書店、1996年
——「講義 歴史のナラトロジー」『新哲学講義8歴史と終末論』岩波書店、1998年所収
——「時は流れない、それは積み重なる——歴史意識の積時性について」
月本昭男編『歴史を問う2 歴史と時間』岩波書店、2002年所収
——「物語り行為による世界制作」『思想』954号、2003年10月
なお『思想』同号は、ほかに、
鹿島徹「物語り論的歴史理解の可能性のために」、
大塚良貴「物語ることと読むこと——ポール・リクールにおける歴史の物語り論」の2編を収めている
——、中村雄二郎『歴史』岩波書店、2000年
熊野純彦『差異と隔たり——他なるものへの倫理』岩波書店、2003年
とくに「<過ぎ去ったもの>をめぐる思考のために——追憶と傷痕とのあいだで」
北田暁大「<構築されざるもの>の権利をめぐって——歴史的構築主義と実在論」上野千鶴子編『構築主義とは何か』所収
——「歴史の政治学」吉見俊哉編『知の教科書 カルチュラル・スタディーズ』講談社、2001年所収
高橋哲哉『逆光のロゴス——現代哲学のコンテクスト』未来社、1992年
——『記憶のエチカ——戦争・哲学・アウシュヴィッツ』岩波書店、1995年
西谷修『世界史の臨界』岩波書店、2000年
リン・ハント(筒井清忠訳)『文化の新しい歴史学』岩波書店、1993年
ピーター・ストリブラス、アロン・ホワイト(本橋哲也訳)『境界侵犯——その詩学と政治学』ありな書房、1995年
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『岩波講座文学』全10巻(小森陽一、富山太佳夫、兵藤裕己、松浦寿輝編)岩波書店、2002-2003年
『岩波講座文化人類学』全13巻(青木保、内堀基光、梶原景昭、小松和彦、清水昭俊、中林伸浩、
福井勝義、船曳建夫、山下晋司編)岩波書店、1996-1998年
『岩波講座現代社会学』全26巻別冊1巻(井上俊、上野千鶴子、大澤真幸、見田宗介、吉見俊哉編)岩波書店、1995-1997年
馬場哲、小野塚知二編『西洋経済史学』東京大学出版会、2001年
歴史学研究会編『歴史学研究会半世紀のあゆみ 1932-1982』青木書店、1982年
——『戦後歴史学と歴史学研究会のあゆみ』青木書店、1993年
——『戦後50年をどう見るか』青木書店、1995年
——『戦後歴史学を検証する——歴研創立70周年記念』青木書店、2002年
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