II さまざまな「歴史学」

 

7 民衆史からサバルタン・スタディーズへ

→「世界システム分析」の項も同時に参照のこと

 

良知力『向う岸からの世界史——一つの四八年革命史論』筑摩書房、1993

——『青きドナウの乱痴気——ウィーン1848年』平凡社、1993

——1848年の社会史——ウィーンをめぐって』影書房、1986

——編『1848年革命——共同研究』大月書房、1979

二宮宏之「印紙税一揆覚え書——アンシアン・レジーム下の農民反乱」
岡田与好編『近代革命の研究 上』東京大学出版会、1973年所収

阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』筑摩書房、1988

柴田三千雄、遅塚忠躬、二宮宏之「鼎談「社会史」を考える」二宮宏之編『歴史・文化・表象』所収

喜安朗『民衆運動と社会主義——ヨーロッパ現代史研究への一視角』勁草書房、1977

——「労働者の生活圏と労働運動」『思想』645号、19783

——『パリの聖月曜日——19世紀都市騒乱の舞台裏』平凡社、1982

——『夢と反乱のフォブール——1848年パリの民衆運動』山川出版社、1994

——、木下賢一「対談 19世紀民衆運動の論理」『中央公論』19717

福井憲彦『時間と習俗の社会史——生きられたフランス近代へ』筑摩書房、1996

谷川稔『フランス社会運動史——アソシアシオンとサンディカリスム』山川出版社、1983

近藤和彦「政治文化の社会史にむけて——『パリのフランス革命』・イン・コンテクスト」『思想』776号、19892

——「法の代執行——食料一揆の世界」『民のモラル——近世イギリスの文化と社会』山川出版社、1993年所収

中野隆生「日本におけるフランス労働史研究」『大原社会問題研究所雑誌』516号、200111

——『プラーグ街の住民たち——フランス近代の住宅・民衆・国家』山川出版社、1999

木下賢一「フランスにおける労働史研究の新しい動向」『社会経済史』432号、19778

——『第二帝政とパリ民衆の世界——「進歩」と「伝統」のはざまで』山川出版社、2000

相馬保夫「ドイツ労働史・労働運動史研究」『大原社会問題研究所雑誌』512号、20017

小谷汪之『大地の子——インドの近代における抵抗と背理』東京大学出版会、1986
本書所収の、編者らによるマニフェスト「シリーズ「新しい世界史」(全12巻)発刊にあたって」も参照のこと

増谷英樹『ビラの中の革命——ウィーン・1848年』東京大学出版会、1987

木畑洋一『支配の代償——英帝国の崩壊と「帝国意識」』東京大学出版会、1987

吉見義明『草の根のファシズム——日本民衆の戦争体験』東京大学出版会、1987

藤田進『蘇るパレスチナ——語りはじめた難民たちの証言』東京大学出版会、1989

山根徹也『パンと民衆——19世紀プロイセンにおけるモラル・エコノミー』山川出版社、2003

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色川大吉『自由民権の地下水』岩波書店、1990
日本における民衆史の出発点ともいえる論文「困民党と自由党——武相困民党をめぐって」を収める

——『明治の文化』岩波書店、1970

鹿野政直『資本主義形成期の秩序意識』筑摩書房、1969

——『日本近代思想の形成』辺境社発行、勁草書房発売、1976

——『近代日本の民間学』岩波書店、1983

——『戦前・「家」の思想』創文社、1983

ひろたまさき『文明開化の民衆意識』青木書店、1980

——『差別の視線——近代日本の意識構造』吉川弘文館、1998

安丸良夫「民衆運動の思想」庄司吉之助、林基、安丸良夫『日本思想大系58 民衆運動の思想』岩波書店、1970所収

——『日本の近代化と民衆思想』平凡社、1999
タカシ・フジタニの解説「オリエンタリズム批判としての民衆史と安丸良夫」も参照のこと

——「困民党の意識過程」『思想』726号、198412

——「民衆運動の「近代」」安丸良夫、深谷克巳編『日本近代思想大系21 民衆運動』岩波書店、1989年所収

——『近代天皇像の形成』岩波書店、1992
安丸良夫「著者とともに論じる『近代天皇像の形成』」東京外国語大学海外事情研究所
『地域研究ブックレヴュー』10号、1993年も参照のこと

——『一揆・監獄・コスモロジー——周縁性の歴史学』朝日新聞社、1999

——、タカシ・フジタニ「対談 いま、民衆を語る視点とは?——民衆史とサバルタン研究をつなぐもの」
『世界』663号、19997

——<方法>としての思想史』校倉書房、1996

困民党研究会編『民主運動の<近代>』現代企画社、1993

鶴巻孝雄『近代化と伝統的民世界』東京大学出版会、1992

牧原憲夫「万歳の誕生」『思想』845号、199411

——『客分と国民のあいだ——近代民衆の政治意識』吉川弘文館、1998

稲田雅洋『日本近代社会成立期の民衆運動』筑摩書房、1994

——『自由民権の文化史——新しい政治文化の誕生』筑摩書房、2000

深谷克己編『民衆運動史:近世から近代へ5 世界史のなかの民衆運動』青木書店、2000

井上幸治『完本 秩父事件』藤原書店、1994

森山軍治郎『ヴァンデ戦争——フランス革命を問い直す』筑摩書房、1996

勝俣鎮夫『一揆』岩波書店、1982

網野善彦『無縁・公界・楽——日本中世の自由と平和』平凡社、1996

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アイリーン・パウア(三好洋子訳)『中世に生きる人々』東京大学出版会、1969

ジョルジュ・ルフェーヴル(二宮宏之訳)『革命的群衆』創文社、1982

——(高橋幸八郎、柴田三千雄、遅塚忠躬訳)『1789——フランス革命序説』岩波書店、1998

ジョージ・リューデ(古賀秀男訳)『歴史における群衆——英仏民衆運動史 1730-1848』法律文化社、1982

——(前川貞次郎、野口名隆、服部春彦共訳)『フランス革命と群衆』ミネルヴァ書房、1983

チャールズ・ティリー(堀江湛監訳)『政治変動論』芦書房、1984

リチャード・エヴァンズ編(望田幸男、若原憲和訳)
『ヴィルヘルム時代のドイツ——「下から」の社会史』晃洋書房、1988

ミゲル・レオン=ポルティーヤ編(山崎眞次訳)
『インディオの挽歌——アステカから見たメキシコ征服史』成文堂、1994

ナタン・ワシュテル(小池佑二訳)
『敗者の想像力——インディオのみた新世界征服』岩波書店、1984

フリオ・カロ・バロッハ(佐々木孝訳)『カーニバル——その歴史的・文化的考察』法政大学出版局、1987

イヴ=マリ・ベルセ(井上幸治監訳)『祭りと叛乱』藤原書店、1997

エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリ(蔵持不三也訳)
『南仏ロマンの謝肉祭(カルナヴァル)——叛乱の想像力』新評論、2002

——(杉山光信訳)『ジャスミンの魔女——南フランスの女性と呪術』新評論、1985

ジャック・ルゴフほか(二宮宏之編訳)『歴史・文化・表象——アナール派と歴史人類学』岩波書店、1992

カルロ・ギンズブルグ(杉山光信訳)『チーズとうじ虫——16世紀の一粉挽屋の世界像』みすず書房、2003

ジョーン・スコット「言語・ジェンダー・労働者階級の歴史」『ジェンダーと歴史学』所収

——「『イングランド労働者階級の形成』のなかの女たち」同書所収

ナタリー・デーヴィス(成瀬駒男、高橋由美子、宮下志朗訳)
『愚者の王国 異端の都市——訳)近代初期フランスの民衆文化』平凡社、1987

ピーター・バーク(中村賢二郎、谷泰『ヨーロッパの民衆文化』人文書院、1988

ジェームス・スコット(高橋彰訳)『モーラル・エコノミー——東南アジアの農民叛乱と生存維持』勁草書房、1999

エリック・ホブズボーム (水田洋、堀田誠三、安田悦子訳)『素朴な反逆者たち』社会思想社、1989

エドワード・P・トムスン(市橋秀美、芳賀健一訳)『イングランド労働者階級の形成』青弓社、2003

リチャード・ホガート(香内三郎訳)『読み書き能力の効用』晶文社、1986

ポール・ウィリス(熊沢誠、山田潤訳)『ハマータウンの野郎ども』筑摩書房、1996

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アントニオ・グラムシ「「民間伝承」に関する考察」(『獄中ノート』研究会訳)『La città futura(未来都市)』11号、20002

——(上村忠男編訳)『知識人と権力——歴史的地政学的考察』みすず書房、1999
「従属的諸階級の歴史のために」を含む

——(片桐薫編訳)『グラムシ・セレクション』平凡社、2001

デイヴィド・フォーガチ編(東京グラムシ研究会監修・訳)『グラムシ・リーダー』御茶の水書房、1995

R・グハ、G・パーンデー、P・チャタジー、G・スピヴァク(竹中千春訳)『サバルタンの歴史
——インド史の脱構築』岩波書店、1998

ガヤットリー・チャクラヴォルティ・スピヴァク(上村忠男訳)『サバルタンは語ることができるか』みすず書房、1998

——(長井香里訳)「一言でいえば——インタヴュー」『批評空間』第二期第三号、1994

——(後藤浩子訳)「女性史の異議申し立て(チャレンジ)」『思想』898号、19994

——(上村忠男、本橋哲也訳)『ポストコロニアル理性批判——消え去りゆく現在の歴史のために』月曜社、2003

ミシェル・フーコー、ジル・ドゥルーズ(蓮實重彦訳)「知識人と権力」
『ミシェル・フーコー思考集成W』筑摩書房、1999年所収

ディペッシュ・チャクラバルティ(臼田雅之訳)「急進的歴史と啓蒙的合理主義
——最近のサバルタン研究批判をめぐって」『思想』859号、19961

——(臼田雅之訳)「マイノリティの歴史、サバルタンの過去」『思想』891号、19989

——(大久保桂子訳)「インド史の問題としてのヨーロッパ」『別冊思想 トレイシーズ』200011

K・シュヴァラマクリシュナン(井口由布、長原豊訳)「サバルタン研究と人類学的言説」
aala100号、1995年、日本アジア・アフリカ作家会議

崎山政毅「文体に抗する「文体」——サバルタン研究の批判的考察のための覚書」『サバルタンと歴史』青土社、2001年所収

長崎暢子「「サバルタン・スタディ」グループの研究について——インドにおける歴史研究の新しい傾向」
『東京・教養学科紀要』第20号、1987

粟屋利江「インド近代史研究にみられる新潮流——「サバルタン研究グループ」をめぐって」
『史学雑誌』9711号、1988

——「『サバルタン研究』再考——インド近代へのまなざし」『創文』19965

——「『サバルタン・スタディーズ』の軌跡とスピヴァクの<介入>」『現代思想』19997

臼田雅之「サバルタンとは誰か——関係的カテゴリーを目指して」『創文』19976

太田好信『民族誌的近代の介入——文化を語る権利は誰にあるのか』人文書院、2001

藤澤房俊『匪賊の反乱——イタリア統一と南部イタリア』太陽出版、1992

エルンスト・デ・マルティーノ(上村忠男訳)『呪術的世界——歴史主義的民族学のために』平凡社、1988

上村忠男「デ・マルティーノにおける「西洋の危機」と呪術的世界への旅」
『クリオの手鏡——二十世紀イタリアの思想家たち』みすず書房、1989
なお、『地域研究ブックレヴュー』第7号、19903月号で、本書の合評会の記録を読むことができます

G. プロカッチ(斎藤泰弘、豊下楢彦訳)『イタリア人民の歴史 1・2』未来社、1984

ブロニスワフ・ゲレメク(早坂真理訳)『憐れみと縛り首——ヨーロッパの貧民』平凡社、1993

——(松村剛訳)「社会史——排除と連帯。コレージュ・ド・フランス国際講座開講講義」『月刊百科』1994

——「周辺人」ジャック・ル・ゴフ(鎌田博夫訳)『中世の人間——ヨーロッパ人の精神構造と創造力』法政大学出版局、1999年所収

アラン・コルバン(渡辺響子訳)『記録を残さなかった男の歴史——ある木靴職人の世界 1798-1876』藤原書店、1999

ミハイール・バフチーン(川端香男里訳)『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネサンスの民衆文化』せりか書房、1973

ピーター・ストリブラス、アロン・ホワイト(本橋哲也訳)『境界侵犯——その詩学と政治学』ありな書房、1995

『現代思想』(特集 スピヴァク——サバルタンとは誰か)19997月号

 

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