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2012年9月 月次レポート(柴田瑞枝 イタリア)

月次レポート 2012年9月

博士後期課程 柴田瑞枝
派遣先:ボローニャ大学 (イタリア)

 今月中旬より、短期派遣EUROPAの支援を受け、ローマから300Kmほど北に位置するボローニャで派遣滞在を開始しました。この街で暮らすのは初めてのことなので、まずは中心街を隈無く歩いて、主要道路や歴史的建造物などの位置を頭に叩き込み、街の雰囲気に慣れるよう努めました。今後の研究の円滑な進行のためにも、街の区域ごとの特徴を正確に把握したうえで、落ち着いた界隈で宿泊先を探したいと考えたためですが、実際には条件に合うような物件を見つけるのにはかなり時間がかかり、思いがけず苦労しました。
 家探しの他にも、派遣先であるボローニャ大学への登録や、イタリア到着から8日以内に行うことが義務づけられている外国人用滞在許可書の申請、インターネット環境の整備など、最初の数日間は基本的な生活環境を整えるための事務的な手続きに追われました。私は同じイタリアのナポリ、ローマの大学に長期留学をした経験がありますが、さいわいボローニャの公共機関や大学施設の窓口は、比較的親切に、かつ能率的に対応してくれるという印象を受け、ほっとしています。
 ボローニャ到着から2日後、指導教官であるマルコ・アントニオ・バッゾッキ先生のもとへ挨拶に行きました。先生は多忙にも拘らず時間を割いてくださり、私が事前に送付していた研究計画書に目を通しながら、研究に役立ちそうな論文を勧めてくださるなど、具体的なアドバイスをしてくださいました。研究テーマについて興味深いと背中を押してくださったので、それがとても励みになりました。
 12日には、ボローニャ大学において、同じゼミに所属する先輩の博士論文共同指導協定に基づく博士論文最終審査が行われましたが、審査を見学できたことが、自身にとっても大変刺激になりました。研究の視点も斬新で、フィレンツェ大学から招喚されたドメニケッリ先生も白熱した議論を繰り広げており、論文の内容の濃密さが窺えました。審査後、無事博士号を取得された先輩から論文執筆中の諸々の体験談を聞かせていただき、目標到達へ向けての断固とした姿勢に感心するとともに、今後の自らの留学生活に向けて、身が引き締まる思いがしました。

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