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2012年9月 月次レポート(笹山啓 ロシア)

短期派遣EUROPA月次報告書(2012年9月)
報告者:博士前期課程2年 笹山啓
派遣先:ロシア国立人文大学 (モスクワ)

 派遣最終月となった今月は、今回の派遣で指導を仰ぐガリーエワ先生に先月執筆した論文に対する評価をいただき、また9月から開始されたロシア現代文学に関する講義を聴講した。論文に関しては構成・内容の両面について厳しいご指摘を多く受けた。いただいた意見は今後修士論文の執筆に活かしていく考えであるが、なにはともあれ今回はロシア滞在中に一本論文を書き上げ、学会への提出と指導教員との意見交換を行えたことをひとまずの成果として捉えたい。今回参加した大学の授業は学部生向けのゼミ形式のもので、主に20世紀後半から現代にかけての作家とその作品が扱われ、指定された作品について最初に講師の側から説明がなされたのち講師と学生たちとの間で議論が交わされた。未読の作家についての貴重な知識が得られたことも収穫ではあったが、ロシアの学部生たちが事前の準備を怠らず能動的に授業に参加する姿に非常に感銘を受けた。
 今月はほかにもモスクワ郊外の国立図書館論文保管用別館等での資料収集や、ロシアの大学の学期始まりと日本の大学の夏休みが重なる時期に合わせてモスクワに集まってきた他大の先生方ならびに大学院生の方々との交流、情報交換などを行った。先月は論文執筆のために多くの時間を机の前で費やしたことに比すと、9月は外に出ての活動が非常に充実した月となった。
 6ヶ月という短い期間ではあったが、今回のロシア滞在からは事前の予想以上に濃い経験を得られたと確信している。上出来を自認するわけにはいかないものの、論文という形でひとつ目に見える成果を残せたことも今後の研究にとってよい方向に働くと考えている。今回の派遣で得た経験を自らの研究に活かすことは当然として、同じ研究室で志を同じくする大学院生たちにも還元し、今後の東外大院での研究生活をますます充実したものにすべく努力を続ける所存である。最後に、今回の派遣に際しご協力をいただいた方すべてにこの場を借りて改めて感謝を申し述べたい。

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