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2012年9月 月次レポート(新谷崇 イタリア)

月次レポート 2012年9月
新谷崇(博士後期課程)
派遣先:ピサ高等師範学校(イタリア)

 9月15日から短期派遣EUROPAでの研究生活を開始した。まずは、再び長期間イタリアで研究する機会を与えてくださった先生方と担当者の方々に、この場を借りて感謝申し上げたい。この機会をしっかりと活かし、研究を深めたい。
 さて、今回の派遣先は2011年度と同様に、イタリア中部にあるピサ高等師範学校である。受け入れ教員も変わらず、19世紀以降のカトリックと社会の世俗化を専門としているダニエーレ・メノッツィ先生にお願いした。同じ環境で継続して勉強できるので、研究上も生活上も慣れるという意味では心配がない。ピサという町は、小さいながら大学が多く、図書館などが充実しているので、勉強に打ち込むには申し分ない環境と言える。
 派遣の目的は、博士論文の執筆を進めることと、そのための史料を集めることである。史料収集に関しては、フィレンツェ、ローマ、ウーディネでの調査を予定している。今後、計画を立て、史料調査に出掛けるつもりである。博士論文に関しては、書き上げた部分からメノッツィ先生に目を通してもらい、アドヴァイスを受けるつもりである。9月は一度メノッツィ先生と面談し、今後の計画を打ち合わせた。また、すでに書き上げて修正作業をしている投稿論文について議論し、最近出た研究論文一点(Giorgio Fabre, Un «accordo felicemente conchiuso», Quaderni di Storia, n. 76, 2012.)を紹介された。早めに消化して、論文に反映させたい。
 9月は、実際のところ、ほとんど事務手続きをして過ぎたと言える。まず、滞在許可証の取得を含め何かと世話になっている事務スタッフに挨拶をした。そこで、学生証の更新作業をした。というのも、学内のコンピューターやインターネットへのアクセス、学食や図書館を利用するための権利が7月で切れていたからである。イタリアでは、こういった手続きの際に、たびたび教員の紹介状を求められ、それによって手間を取らされることが多い。何はともあれ、無事に事務手続は終了し、ようやく勉強できる態勢となった。10月からはメノッツィ先生の授業が始まるので、それに出席しつつ、博士論文の執筆を進めたいと考えている。

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