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2012年3・4月 月次レポート(柏崎正憲 ドイツ)

東京外国語大学 短期派遣EUROPA 月次レポート(2012年3・4月分)

2012.05.01 柏崎正憲

概要

 3月28に成田を発ち、同日フランクフルトに到着。ただし、派遣先(マールブルク大学)の学生寮受け入れは4月に入ってからであったため、3月中は、フランクフルト大学およびハイデルベルク大学の図書館で資料調査をおこなった。
 4月2日からマールブルクに滞在。派遣先指導教員のジョン・カナンクラムとは12日に会合をもち、今後の研究方向について相談した。今後も月一度のペースで会合をもつことになっている(次回は5月10日)。またカナンクラム教授に推薦されたゼミナールのうち、アントニオ・グラムシの政治理論にかんするゼミナールと、現在進行中の欧州危機にともなう経済的・政治的諸問題の多角的分析を趣旨とした集中ゼミナールとに参加することにした。
 時期が前後するが、派遣前に提出し審査を通過した博士論文の出版(東京・吉田書店より)の話が、3月までにまとまっていた。改稿が前提となっているので、今後の派遣調査の成果も著書に反映していく予定である。

成果

 研究主題であるグローバル化以後の国家理論について、今までのところ、筆者が日本で知りえた以上の研究の進展があることが明らかになっている。この進展はとくに、2010年に顕在化してから現在も進行中である欧州債務危機に関連している。ヨーロッパ共同体(EU)の大きな揺らぎのなかで、主権国家の上位における新たな経済・政治秩序の形成(としてのEU)という観点そのものを問いなおす動向が見られる。関連する研究の詳しい調査を向こう二、三ヶ月で続け、夏には中間的な成果を日本の研究誌に投稿したい。

派遣先大学(マールブルク大学・ドイツ)との連絡状況

 前述のとおり、派遣先指導教員のジョン・カナンクラムとの会合およびメールでのやりとりをおこなっている。そのほかには、博士・ポスドク学生向けのドイツ語研修コース(週一回)を受講している。また、前述の「欧州危機」集中ゼミナールの担当教員であるニコライ・フーケともセミナーの準備にかんする連絡をとっている。

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