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2012年2月 月次レポート(石田聖子 イタリア)

月次レポート

(2012年2月、博士後期課程 石田聖子)(派遣先:ボローニャ大学 [イタリア])

 寒波の影響を受け厳しい寒さに見舞われた今月は、大学機能が一時的に麻痺したこともあり、ゼミやシンポジウムのキャンセルが相次ぎ、従って、自宅で論文作業に携わる時間を多く過ごすこととなった。そうしたなかでは、主として、博士論文本論部の精読と修正に加え、導入部と結論部の構想、関連資料精読と執筆、また、文献表と脚注の整理などを行った。本論部を通読するなかでは、語彙が重複していたり論旨が明白でなかったりする箇所が数多く発見された。細部の調整を重視してきた各章の執筆中には気付けなかった点であり、今後の提出に向けた入念な推敲の必要性を痛感することとなった。傍らで、本論部で展開する分析的考察を統合する導入部と結論部は、今月末に至り、ともに執筆を終了した。イタリア語チェックを受け次第、来月初めにも、指導教員へ提出し指導をあおぐ予定である。今月中にはまた、博士論文と同時に提出が義務付けられている日本語による論文要旨の作成も行った。もともと日本語で構想しながらも、これまで専らイタリア語により展開、執筆をおこなってきた一連の議論を再び日本語で表現することには特別な困難が伴い、したがって、作成には思いのほか多くの時間と労力を要する結果となった。博士論文作業がひと息つき次第、日本語による論文作成を予定していることもあり、日本語による言語表現能力の再度の獲得が急務であることを実感している。
 さて、雪とは縁の薄い地域で生まれ育った派遣者にとり、まとまった量の雪を経験するのは今回がほぼ初めてであった。雪と共存する生活には当初こそ戸惑いを覚えたが、徐々にその美しさに魅了されるようになった。降雪・積雪にまつわる不便や危険性は承知の上でも、降雪時の空気の清涼感は、特に回廊が多く大気がこもりがちなボローニャでは貴重に思え、時間を見つけては、積極的に町や公園、丘の散策に出掛け、おいしい空気をいっぱいに吸い込み身体の芯からの浄化をはかることが今月の良い息抜きの機会となった。

ishida2-1-1.jpg雪化粧したボローニャの町

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