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2012年10月 月次レポート(柏崎正憲 ドイツ)

東京外国語大学 短期派遣EUROPA 月次レポート(2012年10月分)

2012.11.01 柏崎正憲

概要
 書籍の原稿執筆開始。マールブルク大学の2012/13年冬学期における講義、ゼミへの参加。

成果
 派遣前に執筆し、学位を授与された博士論文『ニコス・プーランザスにおける政治的なものの位相論』を改稿し、吉田書店(東京)から出版する計画が進んでいることを、以前に報告した。その改稿作業に、今月から着手している。改稿とは言っても、今回のドイツでの派遣研究の成果は、この書籍に大幅に反映することになるので、たんなる加筆に留まらず、旧稿のすべての文章を再吟味し、全体的な内容構成も大幅に再編する計画である。
 今月に書き上げたのは、原稿用紙で150枚ほど。主題であるプーランザスの国家理論を下支えしている、かれの認識論的方法を扱った、旧稿の第一部に対応する改稿をおこなった。

派遣先大学(マールブルク大学・ドイツ)との連絡状況
 10月4日に、指導教員のジョン・カナンクラム教授との面談があった。先月末、東京外国語大学海外事情研究所紀要『クァドランテ』に、本派遣の中間報告の論文を投稿していたが、その内容をドイツ語でA4用紙6枚ほどにまとめ、カナンクラム教授にあらかじめお送りし、意見を伺った。分析の基本的な観点および内容については、賛同していただいたうえで、二、三の論点について根拠づけの弱い部分のご指摘と、補強のための資料の紹介をしていただいた。『クァドランテ』投稿論文は、査読に通れば、ゲラ校正の前に一度修正のチャンスがあるので、そのさいに、カナンクラム教授からの指摘を反映したいと考えている。
 カナンクラム教授との次の面談は12月(11月には出張があるため)。ただし今期は、ゼミナールで毎週会うので、細かい相談は頻繁にすることができる。
 マールブルク大学では2012/13年冬学期が始まった。カナンクラム教授は、欧州統合にかんする2つのゼミナールを開講しているので、両方に参加している。その他、政治思想史の講義などに出席し、今日のドイツにおける政治学および政治経済学の研究状況や教育内容を調査するうえでの参考としている。

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