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2011年12月 月次レポート(石田聖子 イタリア)

月次レポート

(2011年12月、博士後期課程 石田聖子)(派遣先:ボローニャ大学 [イタリア])

 2011年最後の今月は、物理的ばかりでなく心理的にもかつてないほどの慌ただしさに圧倒される一ヶ月であった。
 今月も、主として論文執筆作業を行い、その傍らで博士課程セミナー、シンポジウムに出席する日々を送った。論文作業に関しては、先月にひきつづき第四章第三節の執筆を行った。ザヴァッティーニの初期文学作品において顕著なユーモアの構造を鏡像、映像との関連を念頭に記述し、次いで、パラッツェスキとザヴァッティーニの笑いを『ペレラの法典』に登場する煙の人間ペレラと小説『善人トト』、映画『ミラノの奇蹟』の主人公であるトトというふたりの人物表象に焦点をあて比較した後に、最終的には、ザヴァッティーニによってユーモアの進化形として捉えられた映画経験をめぐる検討を行うことを予定している。現在は、この最終段階である映画経験に関する箇所の執筆にあたっているが、ここに至るまでに堆積した様々な概念が入り乱れて収拾がつかず、思いのほか長いあいだ頭を抱えることとなった。執筆が滞る際には、文献表の整理やセミナー、シンポジウムへの出席、新たな資料探索・読解、関連映画作品鑑賞等の活動を意識的に行うことで対策を図ったが、年末に至る現在まで打開しがたい状況が続いている。
 ところで、今月末には、夏以来、海外の大学にて研究活動をされていたボローニャ大学側指導教員が帰国されたために、論文活動進展状況の報告、執筆済み論文箇所の提出他、数ヶ月ぶりに対面しての指導を受ける機会を得ることができたことは、派遣者にとり大いなる励ましとなった。

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(左)町の中心の広場に設置されたクリスマスツリー。
(右)ボローニャのクリスマスマーケット。

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