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2010年10月 月次レポート(藤野りつこ フランス)

短期派遣EUROPA月次レポート(2010年10月)

国際コミュニケーション・通訳専修コース
博士前期課程2年
藤野りつこ

私は現在、パリ第三大学通訳翻訳高等学院(École Supérieure d'Interprètes et de traducteurs、通称ESIT)の会議通訳科に留学しております。2010年10月からから約2ヶ月半の予定です。

ESITの会議通訳科は、専門職としての通訳者養成に特化した高等教育機関です。非常に定評のある学校で、欧州随一との呼び名も高く、例え入学できても、修了するのは容易ではありません。実際に修了証書を取得できるのは、入学者数の半分以下のようです。国連等の国際機関、EUの諸機関とも提携しており、実際に第一線で活躍しておられる通訳者の方々が授業を持っています。

ESITへの入学要件としては、最低3カ国語が必要です。また、フランスの国立の機関であるため、自分の言語コンビネーションの中にフランス語が入っていなければなりません。それぞれ言語コンビネーションは異なるため、ESITには50以上もの組み合わせがあるとのことで、その多様性には驚かされます。それゆえ、学生の国籍もさまざまです。スウェーデン語やクメール語を言語コンビネーションに持っている学生もいます。
最近の傾向としては、多様化する需要に伴い、4カ国語以上の言語コンビネーションを持つ学生が増えてきているそうです。

進級も修了も非常に厳しく、学校全体に常に緊張感が漂っていますが、学生のモチベーションも非常に高く、大変刺激的な環境です。
私は、修士1年と2年の「日仏通訳演習」、「仏日通訳演習」に参加させていただいています。また、空き時間には学生同士でグループ練習を定期的に行っています。
その他にも、「英仏通訳演習」、「通訳・翻訳理論」、「外交通訳」、「会議通訳の現場」、といった授業にも参加しています。どれも、第一線で活躍していらっしゃる、経験豊富な通訳者の方々による授業です。特に、外交通訳の授業は、私の修士修了研究のテーマとも関連しているので、大変興味深く受講しています。
日仏クラスは特に少人数で雰囲気も良く、毎日学ぶことばかりで、充実しています。本学の通訳専修コースと、ESITの教え方の違いも興味深い点です。

10月は、学校のペースに慣れるのに時間がかかってしまいましたが、今後は、並行して執筆中の修士修了研究にもより力を入れていくつもりです。

最後になりましたが、短期派遣EUROPAのご支援のおかげでこの留学が可能になりました。関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

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