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2012年3月 月次レポート(蔦原亮 スペイン)

3月月次レポート 
蔦原亮
マドリード自治大学

 今月は投稿用論文の仕上げと、十一月にスペインで行われる学会発表の要旨作成、ならびにこちらの大学の講義での発表の準備に追われた慌ただしい一月だった。
 論文は、第一稿をElena de Miguel先生に見ていただき、アドバイスを頂いた。内容や議論の組み立て方の不備は指摘されなかったが、数か所、説明が余剰になっている部分、そして、スペイン語のミスに関するご指摘を頂いた。個人的に重要だと思っている点に関する説明が冗長になりがちな点、スペイン語の冠詞の使い分けに関してはスペイン語で執筆した修士論文の頃から様々な先生方からご指摘を頂いていたが、大幅にこの弱点を改善することができなかった。引き続き、これらの点には留意していきたい。修正後、この論文はCLAC (Circulo de Linguistica Aplicada a la Comunicacion0)という機関の雑誌に投稿した。
 Elena de Miguel先生からは、報告者がこちらで進めていたスペイン語の未来形の一義的な機能に関する調査を、スペインで開かれる、若手言語学者向けの学会で発表するようにと言うアドバイスもいただいたので、今月、申し込みに必要な要旨の作成も行った。報告者は、こちらの大学の情報言語学研究室の机を一つ貸していただき、普段そこで作業をしているのだが、忙しいにもかかわらず、この研究室の責任者であるAntonio Moreno 先生、そして研究室に所属する大学院生たちから惜しみない援助と助言を頂いた。彼らの援助と助言のおかげで、無事に応募をすることができた。本当にありがたく、いくら感謝の言葉を述べても、言い足りない気分であった。
 また、今月、Luis Eguren先生と、Fernandez Lagunilla先生の理論言語学の講義が終了した。報告者はこれまで、どちらかと言えばこういった理論的な分野には苦手意識を抱いていたのだが、両先生の、道具立てではなく生成文法の理念を伝えることを主眼に置いた講義で、少し、苦手意識が薄らいだような気がする。
 今月は本当に感謝をしてばかりの一月であった。報告者の研究は、実に多くの人々の協力、親切心の上に成り立っているものであることを改めて実感した。協力して下さる方々のためにも、少しでもいい研究をしたいと思う。本派遣も残り三か月、これまで以上に真摯な態度で研究に打ち込みたい。

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