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2012年9月 月次レポート(丹羽裕美 韓国)

月次レポート 9月

東京外国語大学 博士前期課程 
言語文化専攻 丹羽裕美
派遣先:韓国外国語大学校大学院

 天高く真っ青で日差しがまぶしい秋晴れの日が続いている。はじめて韓国語を習った教科書に「韓国は秋の空が最も美しい」というフレーズがあったことを思い出す。陰暦の8月15日に当たる今日9月30日は、韓国の大イベントである秋夕(チュソク)だ。日本のお盆に似た伝統行事で、家族・親戚が集まり先祖を祭る催しなので、普段は都市で働いている人々は家族連れで故郷へ帰郷する。そのため都市部のお店などはほとんど閉店となる。このようなときこそ勉強が捗るのではと思ったのだが、学校の研究室や図書館までもお休みになってしまう。
 さて、韓国では9月から大学院の授業が始まる、現在、指導教官の金在旭教授のご厚意で教授の韓国語文法教育論という大学院の授業を聴講させていただいている。講義の内容は、韓国語教育における文法教育の内容について一歩深く掘り下げる「内容学」というもので、韓国語文法の内容を知り文法項目の意味や制約関係などを分析し、その韓国語文法の項目がどんな状況および機能のテーマなどと関連しているのかをTOPIK(韓国語能力試験)や韓国語教材から分析するものである。9月は韓国語文法の内容学の概要と「韓国語教育の概論書の文法記述考察」という論文を基に講義が行われた。10月はいままで自身の研究として行ってきたコーパスの用例分析の結果に加えて、TOPIK(韓国語能力試験)と韓国語教材の内容について更に具体的な調査と分析を行ってみる計画である。
 また、9月14日には韓国外国語大学校大学院日語日文学科の日本語研究所に於いて行われた東京外国語大学の早津恵美子先生の講演会に出席し、日本語の「ヴォイス」について勉強する機会が与えられた。
 日本語と韓国語では「ヴォイス」に異なる点が多く存在するが、自身両国語の違いを比較した韓国語教育を考察しているので、とても興味深く聞くことができた。これからも自分の研究分野以外にも関心をもって勉強していきたいと思う。

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