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2012年9月 月次レポート(郭恬 シンガポール)

ITP-AA派遣月末報告書(9月)
 報告者:郭恬 博士後期課程国際社会専攻
 派遣先:シンガポール国立大学

 今月は派遣の一ケ月目で、関係者への挨拶や学科全体的な授業見学が活動の中心であった。まず一週目は派遣先であるシンガポール国立大学の近くにアパートを決め、研究生として入学手続きを完了した。二週目から受け入れ教員Thang先生と会い、研究の要旨や協力のお願いを改めて述べ、研究スケジュールについて検討した。また、Thang先生を通じて日本研究学科の昼食交流会に参加し、先生達全員に紹介してもらい、自由に授業参加できる許可を得た。さらに、図書館の個別指導ツアーに参加し、日本研究と日本語教育に関する資料の利用方法等について指導を受けた。

 シンガポール国立大学日本研究学科は1981年の創設以来、シンガポールで日本研究を専門的に行ってきた唯一の機関である。創設当初、語学およびそれ以外の人文・社会科学のクラスを開講していたが、2001年に同じ建物内に新設された言語教育センターに日本語部門が完全移行され、現在日本語教育と日本研究が二分化している形態となっている。日本語コースはすべての学生を対象にしており、履修者数は合計1400人にも上っている。ただし、日本語コースは一般教養選択科目として位置づけられているため、授業時間数と単位数が限られており、日本語を専攻として学位を取得することができない。日本研究学科は学位取得できる専攻ではあるが、1990年代半ばから学生数が減少する一方で、現在学生の総数は約86名で、1998/99年度の学生総数543名の20%以下である。日本研究学科の授業はすべて英語によって行われているが、専攻する学生は日本語コースを必修科目として必ず履修しなければならない。このような「日本研究」と「日本語」を同じ屋根の下に置きながらもはっきり分離させる形は中国の大学の日本語学部と大きく異なり、カリキュラムの編成と授業法についても興味深く感じている。したがって、今月はまず日本研究学科の授業見学を行い、来月は日本語コースの授業見学とインタビュー調査を行う予定である。

 今月見学した日本研究学科の授業は以下である:

1. Introduction to Japanese Studies
2. Samurai,Geisha,Yakuza as Self or Other
3. Sound,Grammar and Meaning
4. Postwar Japanese Film and Anime
5. Japanese Society and Social Institution
6. Marketing and Consumer Culture in Japan
7. Japan and China: Rivals and Partners

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