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2011年6月 月次レポート(山﨑美保 インドネシア)

ITP-AA派遣月次レポート(6月)
報告者:山﨑美保
派遣先:ジョグジャカルタ

 6月は主に遺跡調査に重点を置き研究を行った。訪問したチャンディは以下の通りである。
①Candi Gebang / Hindu
  所在地:Dusun Gebang, Desa Wedomartani, Kecamatan Ngemplak, Kabupaten Sleman
②Candi Palgading / Buddha
  所在地:Dusun Pal Gading, Kalurahan Sinduharjo, Kecamatan Ngaglik, Kabupaten Sleman
③Candi Morangan / Hindu
  所在地:Dusun Morangan, Desa Sindumartani, Kecamatan Ngemplak, Kabupaten Sleman
④Candi Merak / Hindu
  所在地:Dusun Candi, Desa Karang Nongko, Klaten
⑤Candi Karangnongko
  所在地:Dusun Karangnongko
⑥Candi Klodangan
  所在地:Dusun Klodangan, Sendangtirto, Berbah, Sleman
⑦Candi Mantup / Hindu
  所在地:Dusun Sampangan, Dusun Mantup, Desa Baturetno, Kecamatan 
  Banguntapan, Kabupaten Bantul
⑧Situs Payak
  所在地: Pedukuhan Payak, Desa Srimulyo, Kecamatan Piyungan, Kabupaten Bantul
⑨Candi Gampingan / Buddha
  所在地:Dusun Gampingan, desa Sitimulyo, Kecamatan Piyungan, Kabupaten  Bantul
⑩Candi Gembirowati
  所在地: Kalurahan Girijati, Kecamatan Panggang, Kabupaten Gunungkidul
⑪Candi Gedongsongo / Hindu
  所在地:Desa Candi, Kecamatan Bandungan, Kabupaten Semarang

⑩⑪のチャンディを除くチャンディは、現在水田や居住地の真ん中に存在している。そのためいくつかのチャンディは、一部しか発掘されておらず伽藍全体がどのような構造をしているのかははっきりしない。しかし、これらのチャンディは現在確認できる祠堂の大きさなどから、当時この周辺に居住していた人々によって崇拝され管理されていたチャンディであると考えられる。
 上記のチャンディ以外にもチャンディやその遺物が残された遺跡をまわったが、いくつかのチャンディ、遺跡はすでになくなっていることが分かった。チャンディに使われていた石が家の修築や建造のために住民によって使用された例、また政府が土地を買い上げることができず、農地として耕作された例など、チャンディが破壊された例が多くある。
 チャンディの多くが耕作地や居住地と重なっているため、保存や発掘が難しい。またおそらく多くの未発見のチャンディが地中に存在している。そのためチャンディの分布状況を把握することは困難であり、分布状況から当時の信仰の範囲や形態を探るのは難しい。しかし、現存しているチャンディの形態、宗教性などから得られる情報は、自身の研究に役立つため、引き続きチャンディの調査を続けたい。
 来月は、国立博物館を中心に各地の博物館を訪問し、引き続き刻文の調査を行う予定である。

 

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