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2011年3月 月次レポート(テーイプジャン・ユスプ オランダ)

TUFS-ITP 月次レポート 2011年3月
                                                                                                  Tayyib Yusuf

 3月は、オランダへの派遣留学の二ヶ月目で、今回の派遣の最終月でした。今月は、前月に引き続きZürcher教授のゼミに参加したほか、前半に教授の研究室にてトルコで収集した定期刊行物をはじめとする史料および論文仮題とその構造について報告をしました。Zürcher教授から報告内容についてコメントを頂き、自己が関心事としている19世紀60年代のトルコジャーナリズムと世論誕生の関係を明らかにすることには一定の難しさがあることが分かりました。また、問題を見る視点をかえて、近代化の立場から定期刊行物が扱える研究の有効性についてもコメントを頂き、今後の研究に関して新しいヒントを得ることが出来ました。
 その他に、ライデン大学中央図書館を中心に、いくつの大学図書館を利用し、研究に関連する資料のデジタル化を行いました。中央図書館の貸し出しは、当日16時までに大学図書館のサイトから注文をいれておけば、一時間後に中央図書館の中にあるロッカーブロックの指定された場所で入手できるという仕組みになっていて、便利でした。このような恵まれた研究環境を嬉しく感じていたところ、3月11日、日本で起きた東北地方太平洋沖地震の一報が入り、東京に残してきた家族のことを心配するあまり、一時、研究が手につかず、また、心理的にも不安定な状況に陥りました。しかし、しばらくして家族とも連絡が取れ、元気を取り戻すことができました。
 月末には再び、帰国の準備に時間を取られました。退室手続きや荷物郵送作業を行い、最終週にはZürcher教授およびCAAS窓口の関係者に別れのご挨拶をし、これからの研究と進路についても貴重なアドバイスを頂きました。
 11ヶ月に及んだ留学を振り返ると、自己の力では実現できない成果を挙げることができたと思います。この場を借りて、私にこのような機会を与えてくれたITP-AA関係者の皆様に心より深く感謝を申し上げます。


 

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