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2011年2月 月次レポート(アブディン・モハメド・オマル イギリス)

2月ITPレポート
                                                              モハメド・オマル・アブディン

 今回のITP派遣の最終月となった2月には、様々な研究活動を実施することができました。

1. シンポジウム・公開セミナー
 2月4日に、Royal African Society主催で行われたスーダン南部住民投票についての公開セミナーに出席しました。発表者に対して質問を行い、セミナー終了後に報告者のDoglas Johnson教授、モデレーターのJustin Welis教授と30分以上、研究について意見交換を行ったほか、Darham大学で歴史学、特にスーダンの歴史を専門にしているJustin Welis教授と今後、メールのやり取りを通じて、アドバイスをいただくこととなりました。今回の派遣で実現できなかったDarham大学への訪問、資料収集の計画をWelis教授と連絡を取りつつ、来年度に実現したいと思っております。
 2月8日には、SOASで行われた南アフリカの政治に関するシンポジウムに出席し、南アフリカの内部政治の仕組みの分析方法を聞いて、報告者が行っているスーダン政治の内部主体の分析の参考にしたいと思っています。

2. インタビュー等
 2月15日にダルフールの反政府組織Sudan National Liberation Movement(SNLM)の代表MR.Yahia Albasheerにインタビューを行いました。同組織は唯一、ダルフールの独立を含むダルフール住民自決権を主張しているグループであることから、北部勢力間の政治闘争の変容を垣間見る貴重な証言を聞くことができました。
 また、1968年の選挙で初当選し、スーダン2大政党の民主党の副代表を経て、現在ロンドンに本部を置く反政府組織National Broad Front(NBF)の代表をしているアリー・マフムード氏に電話インタビューをすることができました。ベテラン政治家のマフムード氏は1985年から1986年にかけての軍事政権からの移行時期の政治プロセスに深く関与していたこともあり、同士はここ40年間の重要な政治局面の内情に詳しいことがインタービュを通じて分かりました。
 資料に関しては、SOAS図書館に限らず、British Library, National Archive, Interlibrary Lawnを利用してさまざまな資料を手にすることができました。

3. メンターとの最後の面談
 21日月曜日にメンターのStephen Chan教授と最後の面談を行いました。これまでに教授に提出したペーパーを見ていただき、非常に勇気付けられるコメントをいただきました。そして、同教授は、「喜んで外部審査員になってもよい」とのコメントをしてくださいました。
 
 27日にロンドンを発ち、カタール空港を経由して、28日に無事東京に到着しました。この8ヶ月間に及ぶresearch tripを可能にしてくださった、ITPの先生方、東京の事務局の厚いサポート、ロンドン・オフィスの押切様の調整とオフィス利用の許可、そして最後に、納税者の皆様に心より厚くお礼申し上げます。日本のアフリカ研究の充実化につながる質の高い研究を完成させ、恩返をしたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻どうぞよろしくお願いします。

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