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2011年11月 月次レポート(牧野波 韓国)

ITP-AA 派遣月次報告 2011年11月分

博士後期課程   牧野 波(派遣先:韓国外国語大学)

 二か月目の11月は、歴史記念施設をどう論じるのかという議論の枠組みを強化することを目指すとともに、諸先生方からのご厚意で、研究対象言語である韓国語の能力を目指す機会に恵まれたひと月でした。

 1)独立記念館、戦争紀念館の踏査
 10月からソウルに二か月いらっしゃった中野敏男先生、ソウルの諸先生がたとともに、自分の研究対象である独立紀念館と戦争記念館を踏査しました。施設の運営を財政的な面からどう考えるかという現実的なお話から、軍事独裁政権の論理が貫徹された記念館を歴史的にどう位置付けるかというお話まで、中野先生をはじめとする諸先生方から示唆に富んだお話をうかがうことができました。

 2)聖公会大学、チョウ・ヒヨン先生の授業の聴講
 10月に引き続き、聖公会大学のチョウ・ヒヨン先生の大学院の講義を聴講させて頂きました。特に11月は、自分が現在関心を持っている朴正煕政権時代を、現在どう捉えかえすかというテーマの回があり、韓国でアクチュアルになされている議論の一端に触れることができました。また、受講なさっている方の中に民主化運動記念事業会で仕事をしている方がいらっしゃり、民主化運動記念事業会についてお話をうかがう機会を得ました。

 3)国際アーカイブズ学会、キム・イッカン先生の発表の翻訳
 法政大学のキム・ギョンナム先生のご厚意で、韓国のアーキビストであるキム・イッカン先生が国際アーカイブズ学会で発表される原稿を翻訳させて頂きました。キム・イッカン先生の発表は、現在の韓国のアーカイブズの概況についての報告で、現在韓国で記憶を記録として残すという作業が、国家の次元から民間の次元まで多様な形で進められているという現況に触れることができました。

 4)日本語―韓国語 ラングウィッジ・エクスチェンジ
 知り合いで日本語を勉強なさりたいという方がいらっしゃり、11月から週に3回初級の日本語をお教えしています。教材を使用して日本語学習を体系的に手助けするかわりに、こちらが生活上で必要な言い回しを教えて頂いたり、口頭で文法の間違いを矯正して頂いたりしています。この活動のおかげで、そのときそのときの状況の文脈に即した受け答えができる言語能力を養いつつあります。

 このほか11月は、腸炎にかかって、加入させて頂いているCGS Japanのスタッフの方々にもメンタルの部分から日本語が通じる病院の選定まで、様々な手助けをして頂きました。お礼申し上げたいと思います。

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