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2010年2月 月次レポート(岸田圭司 イギリス)

  ITP-AA月次レポート(2月)                                                     岸田  圭司
   
 
  今月は、図書館、公文書館での資・史料の渉猟に多くの時間を割いた。先月のレポートでも言及したが、SOAS図書館の改装作業の進捗にともない閲覧できないコレクションが徐々に増えており、必要だと思われる文献資料の閲覧を早急に行った。残念ながら外部保管処置が取られて閲覧できなかったものもあるが、概ね必要なものは手に入れることができたと思う。
 また、SOASに限らず、イギリスの大学図書館は一般的な図書だけでなく、政治組織、民間団体等が発行した小冊子や新聞の部類も所蔵していることがあり、その幅広い収集活動に驚かされる。色々と検索した結果、ケンブリッジ大学の図書館にも関連文献が所蔵されていることがわかり、2月下旬に訪ねた。また、今月上旬、SOAS側指導教員のNeilda先生に進捗状況の報告に伺った際、オックスフォード大学の中東センターにも関連資料があることをご教示いただいた。同センターはコレクションのデジタル化作業のため2月末まで休館であり、3月1日から訪問を開始した。
 オックスフォードもケンブリッジともにロンドンから鉄道で片道約1時間ほどで日帰りが十分可能である。但し、上記の二つの施設ともに利用するにあたり、紹介状とパスポートが必要である。私の場合、紹介状はNelida先生に書いていただいた。参考までに、両施設の利用手続きについて下記に記した。
 また、今月は、イラク国立図書館・文書館(INLA)のSaad Eskander館長の講演会が大英博物館で催された。写真スライドを交えての最新のイラクの国立図書館の復旧状況及び公文書の保管状況についてのお話は、実に興味深いものであった。Saad館長は、バグダッド出身のクルド人である。ロンドン大学(LSE)で博士号を取得するなどイギリス滞在歴も長い。とはいえ、まだ40代後半の若い館長である。上記の講演会とは別の機会であるが、Saad 館長にご挨拶することができた。随分前からお会いしたいと思っていたので、ロンドン滞在期間中にその機会に恵まれたことは、本当に幸運であった。
 滞在期間がいよいよ1ヶ月を切った。年を越してから時間が経過するのが早く感じる。帰国までの残された時間を有意義に使いたい。
(2010年3月6日記)

Kishida2-1.JPG
写真 SOASのそばにある公園                 
    Russel Squareで撮影 (撮影日2010年3月2日)    
  

  ケンブリッジ大学図書館
住所:Cambridge University Library, West Road, Cambridge CB3 9DR)
  
   King's Cross station からケンブリッジまで鉄道で約50分、運賃は日帰り往復20ポンド(2010年2月現在、オフピーク)である。駅から図書館まで徒歩約20分。SOASの身分証では入館できず、Reader's Pass を取得する必要がある。必要なものは、大学院生の場合、指導教員からの紹介状と写真付身分証明書1点(パスポートなど)である。訪問前にAdmission Officeに電話連絡し、アポを入れること。Reader's Pass は5分ほどで発行してくれる。図書を借りることはできない。開館時間など詳細についてはホームページ参照。
  
  オックスフォード大学中東研究センター
住所:The Middle East Centre, St Antony's College, Oxford OX2 6JF
  
   Paddington stationからオックスフォードまで約1時間。運賃は日帰り往復20ポンド(2010年2月現在、オフピーク)。駅からは徒歩約20分。訪問前にアポを入れること。こちらも紹介状とパスポートが必要である。なお、図書室とアーカイブセクションは別の建物(隣同士)である。開館時間など詳細についてはホームページ参照。

 

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