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2010年1月 月次レポート(岸田圭司 イギリス)

ITP-AA月次レポート(1月)                 
                                                                                                   岸田 圭司
   
 SOASでは、クリスマス、新年休暇が終わり2学期が始まった。時間が経過するのが本当に早い。今月は、毎週聴講させていただいているSOAS側指導教員のNelida先生の通常の学部の講義に加え、大学院の授業の聴講も許可していただいた。聴講した大学院の授業は委任統治期のイラクに関するもので、私の研究テーマとも重なり、委任統治の見方や読むべき文献など様々な面で勉強となった。途中参加する場合でも、シラバスにその日の講義に関するリーデングリストが詳細に記載されており、予習が可能なので助かる。なお、Nelida先生のシラバスは、学部大学院ともにそれぞれ約20ページある。
 最近、SOAS図書館の改装工事が始まり、残念なことであるが、一部所蔵史料の閲覧ができなくなった。ホームページによれば、工事は2012年完了予定である。今後、SOAS図書館所蔵史料の調査を予定されている方は、図書館ホームページで最新情報を確認された方がいいかも知れない(1月30日現在、4月までの予定を公表)。
また、SOAS図書館は豊富な蔵書に加え、電子情報(各種データベース、電子ジャーナル等)も充実している。それらには、ITP派遣者も学内外から24時間アクセス可能である。中でも、STOR、英国下院議会文書データベース(the House of Commons Parliamentary Papers)は利用することが多く、特にJSTORは、人文・社会科学系の主要学術誌の多くを網羅し、Nelida先生のリーディングリストの多くがその入手先として指定されている。上記の二つのデータベースは、導入している日本の大学・研究機関も少なくなく、基本的研究ツールとなっているのではないだろうか。日本に帰ると使えなくなるので、本当に残念である。
 今月は、クルド人が経営している散髪屋に髪を切りにいった。ロンドンに来て二度目である。散髪屋はクルド人コミュニティ内の情報に通じており、髪を切っている間、どこどこにクルド系レストランがオープンした、あそこのイタリア・レストランのオーナーはクルド人で相当儲かっている、というようなロンドンのクルド社会の話題や噂、さらには、ちょっと物騒なイラクの政治状況など、ほとんど一方的に話してくれる。値段(約2000円)も安く、なかなか知ることができないクルド社会の話題や噂を聞くことができていいのだが、残念なのは前髪を一直線に揃えられ、まるでヘルメットをかぶっているかのような髪型にされることだ。
 1月初旬まで冷え込む日々が続いたが、中旬以降それほど寒くない日々が続いている。このまま、暖かくなってほしいものだ。滞在期間は残り2ヶ月を切った。帰国までできる限りのことをしたい。

     Kishida1-1.JPG            Kishida1-2.JPG
     写真1 SOASのそばにある公園                   写真2 The National Archives
              Russel Squareで撮影                             (イギリス国立公文書館)
                (撮影日2010年1月29日)                        この日雪のため、通常より2時間早く
                                                                     閉館した。(撮影日2010年1月6日)

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