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2010年11月 月次レポート(テーイプジャン・ユスプ トルコ)

TUFS-ITP月次レポート2010年11月
                                                                                             Tayyib Yusuf

 突然寒くなった10月に対し、11月は穏やかな一ヶ月だった。特に13日から22日まで続いた9日間の祝日(Kurban Bayramı,犠牲祭り)は絶好の天気となり、ようやく、穏やかな気持ちでイスタンブルの秋らしい秋の季節を味わうことができた。

 研究も順調に進めることができた。史料調査・収集に関しては、先月のレポートの中でも触れ、今月に先送りしていた二つの定期刊行物について調査を行い、新聞を収集することができた。一つは1866年2月に創刊され、1873年まで創刊されたことが確認できた『貿易紙』である。1873年まで刊行されたといっても欠番があまりも多すぎた新聞であり、比較的完全に保管されているところはアンカラの国立図書館だった。しかし、同図書館においては『貿易紙』はまだデジタル化されず、現在まで公開されていない。けれども、国立図書館定期刊行物窓口の担当者に特別にお願いし、上記犠牲祭りの直後、国立図書館において保管されている新聞のすべてのページを写真化し、担当者に送っていただいた。

 もう一つの新聞は、オスマン帝国の軍に関する専業紙の『軍事紙』である。同新聞は1864年からオスマン帝国が滅亡した1922年まで刊行された週刊誌であり、同じく国立図書館において保管されている。名称からもわかるように、新聞はほとんどオスマン帝国の軍隊や軍事業務に関する新聞であり、膨大な数であるが、研究対象として1867年まで部分を収集した。こうして1860-1867年間におけるイスタンブルで創刊されたことが確認できたオスマン・トルコ語の定期刊行物を一通り収集することができた。

 そのほか、「科学・芸術協会」のオスマン語ゼミに定期的に出席した。一方、派遣先大学における指導教員であるウチュマン教授が担当するタンズィマート文学に関するゼミが今月中旬から同協会において週一回行われた。ゼミでは、タンズィマート文学の代表的作品が議論された。特に、タンズィマートにおけるトルコ新文学の誕生や発展及び当時のジャーナリストやジャーナリズムとの関係を更に把握することができ、大変有意義な講義だった。

 今後は、主に研究関連の二次史料の収集を行い、同時に、一次史料の解読も進めていきたい。また、ウチュマン教授のゼミとオスマン語ゼミに引き続き出席する。

 

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