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2009年2月 月次レポート(中島久朱 イギリス)

ITP月次レポート(20092)

地域文化研究科

博士後期課程

中島 久朱

派遣地:ロンドン(SOAS

 

 ITP派遣によるロンドン滞在最後の月であった今月は、18年ぶりという大雪で始まった。当日アポイントメントをとっていた調査先の小学校が休校になっていたため大学へ行ったが、SOAS は全館閉鎖されていた。バスを中心に公共交通機関にもキャンセル出ており、多くの店が休業もしくは営業時間を短縮する等、街の機能が大幅に低下していた。仕方がないので、なぜか開いていたInstitute of Education SOASの隣にあるロンドン大学教育学大学院)の図書館で多少調べものをし、夕方に帰宅すると、大学の職員と学生を対象としたMLで当日は終日大学が閉鎖されるという連絡が届いていたが、どうやら雪で建物全体の電気系統に障害が出たため、朝のうちに連絡ができず、告知なしに閉鎖することになったようであった。翌日は図書館のみ開館していたが、結局2日間授業は全面的に休講となった。ロンドンは東京と比べ年間を通して平均気温は低く、1月から2月にかけては零下2−3℃という日も多かったが、今回のように積もる程の雪が降ることはとても珍しいことのようで、総体的に雪に対して脆弱な印象を受けた。

 調査に関しては、先月に引き続き、これまで授業の参与観察等を続けてきた小学校とクルド人コミュニティ・センターの児童、保護者、教員等、ならびに子ども・学校・家庭省(Department for Children, Schools and Families)の対象と聞き取り調査を行った。子ども達へのインタヴューは5〜6人ずつのグループ形式で行ったのだが、比較的率直な意見が聞けて内容は興味深いものであったが、反面大人へのインタヴューとは違い対象者の集中力を持続させるのが難しく、時間配分やインタヴューイーとの距離の取り方等、反省する点もいくつかあった。

 SOASでは、昨年10月より参加していた博士課程のセミナーで時間をいただき、自身の研究について話をする機会を得た。担当のメンスキ教授のリクエストにより、日本の教育政策に関係する話題でということであったため、教育基本法の改正に関する問題について自身の研究と関連させて話をした。同セミナーには世界各国からの留学生が出席しているため、比較的な視点で様々な指摘を受けることができ、大変良い経験となった。また、今月で調査が終了するに当り、月の後半にはガーストル先生はじめこの半年の間にお世話になった方々に調査の報告とご挨拶にうかがった。

 生活面では、今月はやはり帰国のための荷造りや荷物の発送等に時間を取られた。荷物の発送方法は郵便の他にDHL等の国際運送業者、日系の運送業者等いくつか選択肢がある。現地で購入した書籍類が40kgを超えていたため、本だけで30kgほどを郵便小包で送ったが、帰国直前になってから日通の学割ジェット・パックというサービスを知った。今回は時間的に間に合わず利用できなかったが、他の輸送方法に比べてかなり割安な料金で利用できるようなので、今後ロンドンに行かれる方は参考にしていただければと思う。

 最後に、この場を借りて、今回の調査にご助言・ご協力くださった皆様に、改めて心より感謝を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

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*写真は左からSOAS近隣の公園(Russell Square)、雪で閉鎖になったSOASのメイン・ビルディング、調査を行っていたロンドン北部のハリンゲイ地区の住宅地 (全て23日撮影)

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