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2009年12月 月次レポート(岸田圭司 イギリス)

  ITP-AA月次レポート(12月)   
                                                                                                        岸田 圭司
  
  SOASは12月18日で学期が終了し、約3週間の休みに入った。受け入れ教員のNelida先生もイタリアに一時帰国された。休みに入る前、Nelida先生に面談の時間をとっていただき、研究・調査の進捗状況を報告した。その際、公文書館調査を進める上でのアドバイスをいただき、英国図書館にも関連資料が所蔵されていることを教えていただいた。可能な限り資・史料を渉猟したい。
 また、上記の休みに入れば、SOASは1月4日まで図書館を含めて学内に立ち入れなくなる。この間、図書館が利用できないので、必要だと思われる本を借りた。本派遣による身分では、図書は50冊まで借りることが可能である。さらに、長期貸出が可能な図書であれば、3ヶ月間借りることができる。基本文献など、手元に置いておけるので大変助かる。この休みを利用して、これまでおこなってきた研究・調査を整理し、残り3ヶ月を有効に活用できるよう今後の方針を考えたい。
 調査の一環として、クリスマスにあるチャリティ団体の小さなプロジェクトに同行させてもらった。家族のいない庇護希望者4人(イラク系クルド人3人、アフガン人1人)をささやかな食事に招待するというもので、南ロンドンにあるクルド人が経営するレストランへ行った。今回、初めてクルド人以外の難民に出会った。アフガニスタンを7歳の時に出国したというAさんは、ソ連、パキスタン、イランを経て6年前、イギリスに逃れてきたという。30歳前半だというAさんの髪の毛は真っ白だった。彼らと出会って、難民を研究対象にすることの重さをあらためて感じた。
 派遣期間の半分が終わった。ロンドンも随分寒くなった。一日も無駄にしたくないので、体調管理に気をつけつつ、残り3ヶ月弱、悔いの残らないようしっかり研究・調査に励みたい。

  以下、参考情報。
  
  英国公文書館(The National Archives, Kew)の入館証(Reader's ticket)について。
  
以前、入館証は身分証明書1点(例えば、パスポート)で取得できたが、システムが変更され身分証2点(うち一点は住所が記載されたもの)が必要となっているので、来館を計画している人は注意が必要である。私の場合、日本の運転免許証とパスポートで取得できた。来館前にホームページ等で最新情報をチェックされることを薦める。また、英国図書館も同様に身分証2点が必要である。英国図書館の日本人職員が身分証明書の住所等を確認する。なお、英国公文書館は、2010年度から日曜日に加え月曜日も閉館日となる。(2010年1月4日記)

Kishida12-1.JPG  

1)SOASのそばにある公園Russel Squareで撮影(撮影日2009年12月18日)

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