トップ  »  新着情報  »  2012年9月 月次レポート(山西弘朗 韓国)

2012年9月 月次レポート(山西弘朗 韓国)

月次レポート(2012年9月)

山西 弘朗 (博士後期課程)
派遣先: 韓国外国語大学校(韓国)
派遣期間: 2012.8.1-2012.9.30

研究概要
 先月と同様、韓国における天理教をはじめとする宗教の状況を把握するために関係施設を訪問し、聞き取り調査を行うとともに、関係資料の収集につとめた。
 まず9月3日に韓国外国語大学の文化人類学研究者である朴尚美教授とお会いし、韓国におけるグローバリゼーションとそれにともなう文化変容や文化財をめぐる動向、さらに文化人類学的宗教研究の進め方などについてご教示いただいた。5日は同じく韓国外国語大学でカルチュラル・スタディの理論から韓国の近代化やポストコロニアル状況を研究していらっしゃるチョ・ヨンハン先生とお会いして、韓国のポストコロニアル状況や大衆文化、マスメディア、宗教状況などについて意見交換を行った。9日はソウル市内にある天理教教会の月次祭(毎月一回信者が集まって行われる祭典)に参加した。特に9月は天理教の秋季霊祭も行われ、土着化した祖先祭祀の方法を観察できた。10日はソウル市内の別の天理教教会の月次祭に参加し観察するとともに、教会長夫妻から韓国における天理教の状況などをご教示いただいた。
 13日は韓国外国語大学台湾研究センター主催の講演会が開かれ、台湾中央研究院民族学研究所研究員のAllen Chunによる講演を拝聴した。講演後の質疑応答では韓国の研究者や学生から韓国と台湾におけるポストコロニアル状況、たとえば対日観などについて質問が相次ぎ、議論が展開された。14日は大韓天理教本部において月次祭が管轄下の教会長や信者が全国から集って行われた。さらに秋季霊祭も行われユニークな儀礼を観察することができた。また、済州島にある教会の教会長とお会いすることができ済州島における天理教をはじめとする宗教状況についてご教示いただいた。22日は大韓天台宗総本山である救仁寺の主催する一泊二日のテンプル・ステイに参加し、韓国における仏教について体験を通じて理解を深めた。その他、戦前戦後の韓国における宗教状況や天理教について参考文献のコピーなど資料収集を行った。

研究成果
 大韓天理教本部をはじめ、天理教韓国伝道庁管轄下の天理教教会2ヶ所、大韓天台宗総本山の救仁寺などを訪問し、宗教関係者10名から聞き取り調査を行った。さらに韓国における調査研究について韓国の研究者5名からご助言やご教示をいただいた。

派遣先機関等との連絡状況
 派遣先機関である韓国外国語大学校日本研究所を2回訪れ、調査研究に必要な通訳、文献調査などのお世話をしていただいた。さらに9月14日は大学院日本研究科の教員と学生が参加するコロキアムに参加し、パク・ヨング教授による発表を拝聴するとともに、その後の交流会では日本研究科に所属する先生方から私の調査研究に関していろいろとご教示いただいた。また26日に派遣先指導教員である中村先生とお会いして、この2か月の研究成果を報告し、今後の研究の進め方や、近年の韓国社会の状況、さらに韓国の学術動向などについてご教示いただいた。

このページの先頭へ