講演会「言語研究の深化と広がり ―普遍文法 (UG) から外国語教育・異種 (AI・ロボット) とのコミュニケーションを考える―」

日時

2021年7月2日(金)17:40〜19:10

場所

Zoomでのオンライン開催

内容

「言語」は、ヒトという種の「本質」であり、その知的営みの「基盤」であり、(生物学的な)異種との決定的な「違い」である。「知的探求」は、「違い」に気づき、それを体系化し、より包括的なシステムの中で類似と違いを位置づける、という道筋を辿る。言語研究(言語比較、対照言語学、普遍文法、パラメター)もそうである。また、ヒトの発展「文明」は、いかに「人がやりたくない、できない」ことを「他の何か」にさせるか、という指標で考えることができる。例えば、人類は、肉体的労働を牛馬、機械に置き換え、「特化した領域」でヒト以上の力を獲得し「発展」してきた。さて21世紀、ヒトは「思考・伝達・判断」さえ、その「面倒臭さ、間違い」を嫌い、他のもの(ロボット、AI)に任せ、ヒトを凌駕させることを目指しているのか? 望んでいるのか? 
21世紀の言語研究には「ヒトとは何か?」という古典的な問いに、「(人工的な)異種とのコミュニケーション」の可能性(不可能性?)の観点も含めて、真摯にアプローチすることが求められよう。人文学、電子工学、脳科学、精神医学、生物学などの垣根を越えた真に学際的な「言語研究の深化とひろがり」を考えてみたい。

講演者

長谷川 信子 先生(言語学者・神田外語大学 名誉教授)

備考

主催

東京外国語大学 大学院 総合国際学研究院 科研(20H01278) 基盤B『国際連携・高大連携による英語・中国語・日本語「作文/対話」学習者コーパスの研究』(代表者 望月圭子担当)

PAGE TOP