講演会「フレーム 3.0 ― 人間のコンセプトはすべてフレームか?」“Frames 3.0 - Sind alle menschlichen Konzepte Frames?”

日時

2019年9月11日(水)16:00~18:00

会場

東京外国語大学 語学研究所(研究講義棟4階419号室)

講師

ゼバスティアン・レープナー(Prof. Sebastian Löbner; デュッセルドルフ大学特任教授)

講演言語

ドイツ語(日本語通訳付き)

講演要旨

「フレーム」は最近、言語学でますます注目を集めている。 これは、 ほぼどのようなものも記述対象とすることができる非常に一般的で 精密に定義されフォーマットである。 言語学での応用範囲は語彙意味論や構成主義意味論、統語論、 形態論、音韻論など多岐にわたる。「フレーム」 という概念の起源は1960~70年代の認知科学や言語学的意味 論、人工知能の研究に遡り(=フレーム 1.0)、Barsal ou (1992) による発展・整備および厳密な定義づけを経て(=フレーム 2. 0)、 現在ではフレームを形式化する理論を開発したデュッセルドルフ大 学の学際的研究チームがこの仮説をテストする段階に至っている( =フレーム 3.0)。

 本講演は、フレーム概念をインフォーマルに紹介するもので、 日常や言語学に由来する多数の事例を提示する。 フレーム概念は上述のとおり Barsalou の認知科学理論に遡るが、Barsalou が打ち立てたフレーム仮説は、「 人間のコンセプトはすべてフレームである」というものである。

 このフレーム仮説が正しいとすると、 これが言語学にもたらす影響は極めて大きい。というのも、 この仮説の予見するところでは、語の意味や統語構造、 言語音などの極めて異なる現象が統一的なフォーマットで記述可能 となるからである。 本講演では意味論と統語論から事例を挙げて解説する。

参考文献

Barsalou, Lawrence W. (1992), Frames, concepts, and conceptual fields, in A. Lehrer and E. F. Kittay (eds.), Frames, fields, and contrasts: New essays in semantic and lexical organization. Lawrence Erlbaum. Hillsdale, NJ. 21–74.

備考

一般公開、事前申込不要、入場無料

主催

科学研究費 基盤研究 (B)「複合判断・単独判断に基づく「主語」相対化の文法理論構築に向けた経験的基盤研究」(研究代表者:藤縄康弘)

後援

東京外国語大学 語学研究所
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