2016年度 第一回FINDAS研究会「貞しき女性・浄なる女性――歴史学的アプローチから Women's Faith and Purity in History」

2016-4-23(土)13:00-開催

本研究会はどなたでもご参加可能です。みなさまのお越しをお待ちしております。

日時 2016年4月23日(土)13:00-
場所 東京外国語大学 本郷サテライト 3階セミナールーム
内容 ◆横地優子(京都大学文学研究科)

生理は女性を清めるか?
Menstruation as a Purifier of Women: A Historical Approach
要旨 前近代の南アジアにおいて(南アジアに限らないが)、女性の地位が社会的・文化的に低い理由の一つとして、生理があるために女性が「不浄な存在」とみなされることが挙げられる。一方で、生理は女性を浄化する機能があることが マハーバーラタや法典文献などで述べられているが、この点はこれまであまり注目されていないように思われる。その理由は、LeslieがStrīdharmapaddhatiの研究に基づく1996年の論文(“Menstruation Myths” in Myth and Mythmaking)で指摘しているように、後世の法典文献では、生理の浄化機能に「女性がレイプされた時」という限定がつくためである。しかし、このような限定化・矮小化は本来のものなのかという疑問が生じる。本発表では、叙事詩、プラーナ、法典文献をできる限り渉猟して、生理の浄化機能の矮小化が歴史的な産物であるという仮定の証明を試みる。またその場合に、いつ頃からという点も検討したい。
◆太田信宏(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)

完璧な妻か、完璧な夫婦か――『ハディバデヤ・ダルマ(貞女の法)』再読
The Perfect Wife or the Perfect Conjugality: Rereading Hadibadeya Dharma (Duties of a Devoted Wife)
要旨 本報告では、1700年頃に南インド・マイスール王国の宮廷につかえる侍女が著したカンナダ語文献『ハディバデヤ・ダルマ(貞女の法)』を取り上げる。妻が遵守すべき規範について論じた他の同時代文献との比較も行いながら、夫婦関係を中心とした家庭生活に関する世俗道徳的な手引きとしての性格ももつ同書の内容的特徴を明らかにするとともに、当時の歴史的文脈のなかで同書がもつ意義についても考察する。

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