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総合文化コース

2017年度

佐々木 あや乃 (SASAKI, Ayano)

卒論指導可能分野

ペルシア文学、イラン文化

ゼミ紹介

私の専門はペルシア古典文学です。「古典」と聞いただけで敬遠する人もいるでしょうが、古典というものは、人間にとって普遍的といえる表現への欲求がことばで実現され、伝統的に一定以上の評価を受けてきたもの、その価値が変わらぬものです。遥か以前より、地域の人々の間で語り継がれてきた作品であるため、脈々と受け継がれてきた人々の考え方や感じ方が最も顕著に表れた総体といえるでしょう。古典は伝統的であり、現実的でもあり、個性的であると同時に一般的でもあります。批判的・革命的要素をも含んだり、民族的性格を備えたりもしますが、何はともあれ極めて「人間的」であり、人間の教養に資するものです。私はペルシア古典文学を通して「イラン人とは何ぞや」という問いに対する答えをずっと探し続けているというわけです。
古典作品は、イランもしくはイラン人を知るための手がかりとなることは勿論ですが、私達の日常生活における人間関係構築のヒントにもなります。また、さらに広い活動範囲におけるコミュニケーション手段にもなりえるでしょう。古典を通じてじっくり思索に耽り、自身を見つめ直す機会とするのもよいでしょうし、「現代イランに受け継がれ、息づいている文化」に触れ、想像力を育んでみるのもよいでしょう。
ゼミでは、14世紀頃までのペルシア文学作品の層の厚さが物語る「伝統」に触れながら、現代のイラン人への影響や彼らの思考法を探ることにより、イラン人とペルシア語文学作品の関わり方を知り、イラン人・イラン文化理解への糸口を探っていきます。現代イラン社会においてイラン人の思考形成の一端を担い、人間として生きていくための「教養」として息づいている数多の古典文学作品―フェルドウスィーの『王書』、オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』、アッタールの『鳥の言葉』、サアディーの『薔薇園』と『果樹園』や抒情詩集、ルーミーの『マスナヴィー詩集』や抒情詩『シャムセ・タブリーズ詩集』、ハーフェズの抒情詩集等―とじっくり向き合うことにより、異文化理解への一歩を踏み出してみませんか。
このゼミでは、ペルシア古典作品の中から、例えば、春学期には『王書』の名場面を、秋学期にはペルシア神秘主義叙事詩や抒情詩を取り上げるなどしています。最初の数回は講義形式をとりますが、詩の形式やきまりに慣れてきた段階から徐々に、受講生各人に音読と和訳を輪番制で担当してもらいます。現代イランに通ずるイラン人の描出した思想や精神性について、出席者全員で考察・討論しながら授業を進めます。なお、受講者の興味関心や研究対象によっては現代文学や映画作品等を授業中に扱うこともあります。

卒論・卒業研究について

これまでに提出された卒業論文のうちいくつかの題目を以下に挙げておきます。

「現代イランにおける女性の文学的ディスクールの社会受容の考察」
「ペルシア文学における「英雄」の諸相」
「イランにおける民族衣装のいま―トルキャマーンの装身具を中心に」
「イラン人に負けないペルシア語―イランの大学入学試験で求められる水準から見えるもの」
「"真実探求の哲学者"アッバース・キアーロスタミー監督―"子供"と"道"の表象に見る彼の人生観―」
「サアディーが説く「処世訓」―『薔薇園』より―」
なお、翻訳の場合は卒業研究として提出可能です。

受講上の注意などペルシア語専攻生または既習者に限ります。また、佐々木担当の講義(「西アジア・北アフリカ文化研究」)を少なくとも半期受講しておくことが望ましいのですが、受講できなかった場合には相談に応じます。ペルシア語テクストを精読したい人、イランの文化に深入りしたい人、大歓迎です。
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last updated on: 2016-04-15