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「イタロ・カルヴィーノ研究」  住岳夫

研 究

  20世紀イタリアの作家、イタロ・カルヴィーノItalo Calvino(1923-85)が残した資料、ならびにカルヴィーノ研究を進めていくうえで必要な文献をイタリアの図書館で収集し、博士論文「イタロ・カルヴィーノ研究」に文献学的な発見と裏付けを反映させることが、今回の学術調査の目的である。調査対象はイタリア国内でなければ閲覧・入手できない資料を中心とする。

  具体的には、①作家本人が受けたインタビュー約50点(モンダドーリ版の『全集』には未収録)、②カルヴィーノ文学に広義の都市論的観点から(風景論、空間論、地理学も含めて)アプローチしている研究論文の2種類を重点的に収集する。

  また、資料調査とはべつに、リグリア州サンレモにて現地調査もおこなう。サンレモはカルヴィーノの故郷で、幼年時代から約20年の歳月を過ごした町である。現地調査をおこなうのは、サンレモの風景が作家の精神のありようや世界認識のありかたにおよぼした影響を、実際に肌で感じ見極めるためである。

  カルヴィーノの文学を、綿密な書誌的調査と具体的な実地調査にもとづき、都市論的観点から本格的に研究した例は日本にはまだない。今回の学術調査の意義もその点にもとめられる。

  詳しくは学術調査報告書(PDF)をご覧ください。


報告者

  1. 名前:  住岳夫
  2. 研究テーマ:  イタロ・カルヴィーノ研究
  3. 渡航先:  イタリア
  4. 旅行期間:  平成20年2月11日~平成20年2月29日(19日間)
  5. 調査旅行の概要:  作家イタロ・カルヴィーノが残した評論、インタビュー(いずれも全集未収録のもの)、またカルヴィーノ研究に関わる論文、学術書、学会記録など、日本国内では入手できない文献を各地の図書館で収集する。これらの文献を作品との関連において綿密に分析し、博士論文「イタロ・カルヴィーノ研究」の参考資料として活用する。
  6. 学術調査報告書(PDF


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