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「ブラジル近代詩における時間論的主題の研究」  福嶋伸洋

研 究

  申請者の研究対象である、ブラジル・モダニズムに分類される20世紀の中頃に活躍した詩人たち(とりわけ、Manuel Bandeira, Carlos Drummond de Andrade, Cecília Meireles, Vinícius de Moraes)は、日本を含めてブラジル国外では、紹介・研究は未だ進んではおらず、本来彼らに値するような注目を集めているとは言いがたいが、ブラジル国内では、世紀の革まった現在でも強い関心の的であり続けている。大学などには研究者が数多くいるし、現在活動している詩人もほとんどが何らかの形で彼らの影響下にあると言える。

  このような内外の極端な温度差を考えると、ブラジル近代詩に関する研究を進めていく上で、現地ブラジル(とりわけ、モダニズムの中心地となったリオデジャネイロ)で調査を行うことには、豊富な資料・情報の収集が可能であるという実際的なメリットに加えて、ブラジル近代詩を取り巻いている環境を——往時のものも、アクチュアルなものも——肌で感じ、理解することができるという、他では決して得ることのできない利点がある。

  筆者は、博士前期課程に在学していた2003年にリオデジャネイロ連邦大学に聴講生として留学し、詩人カルロス・ドゥルモン・ヂ・アンドラーヂの研究を進めていたが、今回の調査では特に、その後の研究の進捗・展開によって研究対象に含まれるようになった詩人たち(マヌエル・バンデイラ、セシリア・メイレーリス、ヴィニシウス・ヂ・モライス)に関する文献や、新たに拓けてきた研究のヴィジョンの中で必要となってきた資料を重点的に収集し、また、上で述べたようなブラジル近代詩への多角的なアプローチを計ることによって、研究課題である時間論的主題に関する研究を発展させてゆくことを目的としている。

  詳しくは学術調査報告書(PDF)をご覧ください。


報告者

  1. 名前:  福嶋伸洋
  2. 研究テーマ:  ブラジル近代詩における時間論的主題の研究
  3. 渡航先:  ブラジル
  4. 旅行期間:  平成20年2月6日~平成20年2月26日(21日間)
  5. 調査旅行の概要:  ブラジル近代詩、とくにマヌエル・パンデイラ、カルロス・ドゥルモン・ヂ・アンドラーヂ、セシリア・メイレーリスに関する文献資料の収集をすること。また、これに関する時間論的主題の研究について、現地の研究者の助言・指導をあおぐ。
  6. 学術調査報告書(PDF


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