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「フランス第三共和政前期における帰化の条件」  尾崎俊輔

研 究

  帰化は今日、取得を申請する外国人に、国家が裁量によってその国家の国籍を与える行為であるとされている(Paul Lagarde, La nationalité française, Paris, Dalloz, 1997, p. 123)。現在でこそ、個人と国家のつながりを言い表すには「国籍nationalité」がもちいられるが、この言葉がフランス語の語彙に上るのは19世紀初頭にすぎない。

  だが、例えばアンシアン・レジームにおいて、帰化とは「フランス人の資格qualité de français」を得ることであり、また、帰化の手続きを定めた1809年のデクレでは、帰化が「フランス市民citoyen françaisになる」ことと表現されるように、帰化は、現在われわれがもちいる意味での国籍が概念化される以前から制度として存在していた。

  では、いつから「帰化=国籍の取得」という理解が広く共有されるようになったのか。言い換えれば、フランス人としての権利を享受することと、フランス国籍を持っていることとが同義とみなされるのはいつからなのか。本研究「フランス第三共和政前期(1870-1914年)における帰化の条件」が、国民化という大きな問題と密接に関連するこのような問題関心によって支えられていることをまず初めに確認しておきたい。

  詳しくは学術調査報告書(PDF)をご覧ください。


報告者

  1. 名前:  尾崎俊輔
  2. 研究テーマ:  フランス第三共和政前期における帰化の条件
  3. 渡航先:  フランス
  4. 旅行期間:  平成20年2月2日~平成20年2月29日(27日間)
  5. 調査旅行の概要:  文書館(国立、県立、市立)での資料収集及び図書館での文献収集。共に日本では手に入れることのできない帰化関連の資料・文献であり、研究に欠かせないものである。
  6. 学術調査報告書(PDF


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