「平和への道のり 多文化社会インドネシアにおける紛争の一時的な解決から民主化への転換」

ムハディ・スギオノ(ガジャマダ大学)

過去10年間におけるインドネシアでの武力紛争を解決へと導いたモデルケースやそのプロセスは、実際に紛争解決の現場にいる人間の展望によって大きく左右されるか、もしくはそこを起点として展開されていた。その展望は、人により紛争そのものの本質、内容、さらには根本原因にまで異なっている

スタート地点が異なれば、当然紛争解決の道のりも異なる。東南アジア全般さらにはインドネシアにおける民族・宗教紛争を対象とした我々の調査結果からは、紛争および紛争解決への3つの大きな展望が見えてきた。ここでは紛争、さらには紛争解決へのこれら3つのアプローチの長所と短所について議論し、地域密着型という新しいアプローチを提案してみたい。