世界における紛争の新しい現象

ワディール サフィ (カブール大学 法・政策科学部教授、国際開発法機関・シニアリーガルアドバイザー)

紛争現象は人類の歴史を通じてつねに存在してきた。これらの紛争は社会的、政治的、経済的、宗教的、また時には人種的であり、時代によってさまざまな形態をとってきた。言い換えれば、紛争現象は社会の発展に伴って展開してきたのである。

世界を2つのブロックに分けるNATOとワルシャワ条約機構の創設、国際連合の設立が、第二次大戦後の世界の主な出来事であった。もうひとつの重要な現象は、新たな国家の解放と創設を求めた、「第三世界」と呼ばれる反植民地主義者による戦争である。

アフガニスタン侵攻後のソ連の敗北によって冷戦は終了する。これは同国が15の独立国に分割されたということを意味するだけではない。社会主義世界体制が撤廃され、東欧各国はその立場を変えたのである。したがって現在の世界は一極的である。グローバリゼーションと民主化、民主体制構築のための武力紛争の増加は、深く研究すべきテーマである。21世紀の国際テロとその形態、特にイスラムなど宗教との結び付きも、私たちが対応すべき紛争現象である。

中東ではパレスチナとイスラエル、カシミールではインドとパキスタンの紛争が続いており、デュアランド線をめぐるアフガニスタンとパキスタンの国境紛争も未解決である。これらは平和的に解決されなければ、さらなる問題の火種となりかねない。

核兵器を保有する国、保有をめざす国が増えていることも、大国同士の対立をあおりかねない紛争要因であり、テロ組織がこれを保有したらという懸念、保有させてはならないとの考え方が大国の間で高まっている。

あらゆる紛争の中心となりうる新たな紛争は、貧しい国と豊かな国との格差の拡大である。貧困は私たちの世界に不安定と不公平を招く危険な要因である。

アフガニスタンの紛争は1973年以降、またクーデターから現在まで研究可能である。この地域におけるテロリストやアルカイダの現在の活動、それが同地域や世界平和に及ぼす影響も研究対象となる。

先進国は上述したすべての紛争とその原因について考え、国連というグローバル組織に新たな役割を担わせることで解決策を見つけなければならない。