東京外国語大学附属図書館概要

東京外国語大学附属図書館は、官立東京外国語学校の図書閲覧所にまで遡る百年あまりの歴史を持ち、本学の「世界の言語とそれを基底とする文化一般につき、理論と実際にわたり研究教授し、(中略)言語を通して世界の諸地域に関する理解を深める」(本学学則第1条)との理念に基づき、広く資料を収集し提供しています。

附属図書館の現在の建物は、2000(平成12)年3月に竣工したもので、建築面積1,902㎡、延べ面積6,930㎡、鉄骨造4階建てとなっており、2階をメインフロアに、2階から4階までの3層吹き抜けと大きなガラス窓による開放感と一体感のある空間構成を特長としています。
そして、1階に積層式の電動集密書架を設置して収容力を高め、4階には総合情報コラボレーションセンタの全面的な協力を得て210台近くの利用者用端末を配置するなど、従来からの印刷物資料の提供と、ネットワークを介した電子的情報の提供の両立を目指しています。

所蔵資料は、本学の特質を反映して、日本語図書・英語図書が合わせて全体の40%、英語以外のヨーロッパ系言語図書、日本語以外のアジア系言語図書がそれぞれ約30%ずつという、特徴のある蔵書構成になっています。
また、明治維新前後に日本で出版された外国事情、外国語研究書を中心とした1,262冊の貴重書コレクションと、本学関係者の蔵書の寄贈を受けた6種類、計17,940冊の個人文庫を所蔵しています。

附属図書館は、160を超える言語の書籍と資料を有することから、多言語対応の電子図書館的機能を基盤とした学習図書館的機能・研究図書館的機能を拡充することを計画し、学内外の利用者から満足される図書館を目指します。

また、本学の研究教育成果の保存と公開を進めるため「東京外国語大学学術成果コレクション」を構築し、紀要論文等の登録を行っています。
さらに、21世紀COEプログラム「史資料ハブ地域文化研究拠点」と協働して運用してきた電子図書館システム(Dilins)のコンテンツも、デジタル・アーカイブとして「同コレクション」に収録し、電子図書館的機能の継承・拡充を図っています。

附属図書館では、今後も蔵書や提供できるデジタルコンテンツの一層の充実を図るとともに、みずからも有意義な情報を生産し発信する「情報基地」としての役割を果たしていくように努力していきたいと考えています。